ひとりのセラピストのひとりごと

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ひとりのセラピストのひとりごと

未経験でも手に職をつけ、進学した鍼灸学生。いろいろな場所で、いろいろを想う。

開業DJ鍼灸師の先生に取材をしてきた!渋谷クラブと訪問医療、個性的な治療ライフ【その2・医療編】

  先日、クラブで知り合った個性派の、開業鍼灸師の先生への取材をしました。

 

前編はこちら

www.tenishoku-serapisuto.net

 

  今回は梅山直道先生の行なっている医療・はりきゅう治療についてまとめていきます。

 

梅山直道先生のプロフィール

帝京平成大学 トレーナー・鍼灸専攻卒業
在学中より埼玉県大学サッカーのトレーナーをしており、埼玉県選抜にトレーナーとして帯同。
卒業後は興味のあった介護の世界へ。ショートステイとデイサービスに従事する。
その後整形外科にて、トレーナーと介護の経験を活かし介護予防運動や機能訓練、鍼灸師として訪問治療を行う。
2015年にフリーランスとして活動。
鍼灸整骨院での業務に加え、個人で訪問鍼灸を始める。
特にターミナルケアを中心に行ってきた。
2016年12月に代々木上原にて、うめやま鍼・温灸院を開院。ベッド一台の予約制で治療を行う。
訪問鍼灸も並行して行っており合わせて津田沼の内科クリニックにて医師の元、東洋医学と西洋医学両方の観点から内科、整形外科、婦人科疾患、ターミナルケアを中心に鍼灸治療を行っている。

 

 

訪問医療について

  梅山先生は介護・整形外科・接骨院への勤務を経て、現在はご自身の治療院の他に、訪問医療に従事されています。

  訪問医療というと、私たちはあん摩マッサージ指圧師の仕事を想像するのですが、最近私がお会いする訪問医療従事者は鍼灸師の先生です。連携を取りながら疼痛などの緩和ケアを行われているそうです。

 

訪問医療とは

  普通、病気や怪我などの患者さんはご自身で病院を訪れて診察や治療を受けたり、場合によっては入院しますが、長期に渡る病気や怪我がある場合や、外出できない患者さんである場合、より自分の生活にあった医療を選ぶ必要があります。

 

  例えば、脳血管障害などの後遺症で、身体の右半分(左半分)が麻痺してしまうことがあります。これは生涯残る後遺症で、身体をうまく使えるようにトレーニングしたり、杖などで安全に歩くコントロールが必要になります。

  このような長い期間の疾患や、そのために治療が必要でも、なかなか外出できない方のために、医療従事者が患者さんの家へ行くことを「訪問医療」と言います。

 

  高齢者の医療ではとても重要で、医師・看護師をはじめ、各種医療従事者が医療を行なっています。

  代替医療資格ではあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師がその現場で活躍しています。

 

 

梅山先生の連携医療

  梅山先生は週に3回、月水金は津田沼の連携医療に従事されているそうです。内科のクリニックとの連携をされているので、内科ドクターと一緒にお仕事をされているとか。

 

  ドクターにも専門が色々ありますが、専門外であると他医療スタッフに意見を求めることもあるそうです。

  梅山先生は内科ドクターがレントゲン画像を判断しかねていた時、アドバイスを求められ、一緒に考えることもあったとか。

 

  私がお会いした医療従事者の中には、レントゲン画像を読める柔道整復師もおられました。

  レントゲン画像というと、整形外科医や診療放射線技師の仕事と思われがちですが、運動器を扱う医療従事者も、解析技術は身につけておくと便利なようです。

 

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  梅山先生の患者さんの多くは、やはり整形外科疾患だそう。

  整形外科にかかっても、その医院の方針で、外科医がはり・きゅうの同意書を発行してくれないことが多いそうです。

  そういった時、内科医の判断ではり・きゅうの同意書を発行して下さり、必要な医療をすることがあります。

 

  他にも薬の併用制限がある時、はりきゅう治療で代用するために同意書を出すことがあるそうです。

 

  (注:同意書とは、医師がはりきゅう治療を行うことを許可する書類です。保険治療ではりきゅうを行う場合、この同意書が必要になります。

  私の経験では、以前接骨院に勤めていた時、同意書を持ってきているはり治療患者さんがおられましたが、その方も内科医に同意書を発行してもらっておりました。内科医は、代替医療療法に寛容な傾向があるようです。)

 

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  薬の併用制限の時とは、何らかの基礎疾患がある患者さんが、痛み止めを欲していても、他の薬に影響したり、副作用が障害になる可能性がある時、それ以上薬を投与できないということがあります。

  そういった時に、はりきゅう治療の効果を期待して、薬の代用的に治療を処方することがあるそうです。

  鍼灸は疼痛緩和に非常に強いので、こういった使い方が正しくされているというのは、とても嬉しく思いました。

 

 

梅山先生の訪問ハプニング

  訪問医療は患者さんの自宅に行くために、恐がる人もおられます。

  「恐い人、いないの?」「汚くないの?」「なにか変なことされない?」等々、自宅訪問系の営業職の方々と同じような不安があるようです。

  私としては、そんなこと言ってたら医療ができないし、営業さんはお金が稼げないと思うのですが、でも、ちょっと気になりますよね。

  そこで梅山先生に、思い切って「訪問した時に、何か印象に残っているハプニングはありましたか?」と聞いてみました。

 

梅山先生→梅     めりー→め

 

梅  僕のクリニックは末期医療や独居(一人暮らしの高齢者)なども診ているのですが、いつも通りにある患者さんの家に行ってみたら、その患者さんが亡くなっていたことがありました。

め  ええー!・・・そ、その時どう思われたんですか?

梅  うわっ・・・て思いました。

め  うわってだけですか(笑)亡くなってから時間が経っていたんですか?

梅  いえ、まだ暖かかったんですよ。すぐにドクターに連絡して、必要なことをして、手続きを取りました。

め  その後は訪問するのが恐くなったりしなかったんですか?

梅  恐くなりましたね(笑)

僕は結構、患者さんの家に「ちーっす」みたいな感じで、ずかずか入って行っちゃうんですが、その一件から1週間くらいは、ドアノブ回すのに躊躇しましたね(笑)

 

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   マイペースな梅山先生ですが、この時ばかりはさすがに驚かれたようです。でもうわっで済むなんて・・・。私だったら

ウワアアアアア!!!!ワアアアアア!!!!((((;゚Д゚)))))))くらいでしょうか・・。

  さすが医療従事者、落ち着いていらっしゃる。私はこれから修行します(汗)

 

 

梅山先生のはりきゅう治療

   今回の取材で私が受けさせて頂いた治療は、鍼を打ち、それを直に温める「灸頭鍼(きゅうとうしん)」というものでした。梅山先生は普段から灸頭鍼を治療に用いられていて、 他にも、刺絡治療も好んで使われているようです。

 

  先生の治療方法は、先生ご自身がやってみて効果的だったものを行なっているそうです。

 

 

  灸頭鍼を受けている写真がこちら。

  鍼の上に燃料を乗せて直に火を付けています。 見た目は熱そうにも思えますが、本当に心地いい温かさです。

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  私は今、現役の鍼灸学生です。私の学校は一通り全部習うことができる学校ですが、手技が多様すぎて何を用いたらいいかわからない、ということを感じます。

  他校では現代医学に絞った学校、日本経絡治療に絞った学校など、その学校の方針によって様々ですが、学校の中で習わない治療も当然あります。

 

  (特に刺絡は、手技的に難しい問題があり、学校の中では習いません。しかし学会があるほどの有名な手技です。)

 

  私は手技を習いすぎるために何がいいのか分からないという状態に陥っていますが、他の学校の生徒は、自分の学校の手技が合わないと感じる方も当然おられるでしょう。

  そんな中、何を使ったらいいかというのは、テーマになってくると思いますが、梅山先生は自分に効いたものを基準に治療を行われています。

  手技を選ぶ基準としてはシンプルであり、参考になるな、と思いました。

 

  自分に合ったものを知るためには、色々な手技を受けた方が良いのです。

  学生は学校の勉強に縛られがちですが、外の世界へ出て、色々な経験をすることがとても大事であると言えます。

 

 

取材後記

  ひょんなことから、幸運にも素敵な先生と知り合えました。

  ご縁に感謝すると同時に、初めての取材で、やってみると改善点が見つかり、本当に勉強になりました。

  今回の取材をしてみて、私が強く思うことは、

  学生は学校の外の世界を、どんどん知るべきです。

 

  勉強は確かに大事ですが、テストに合格できる程度、きちんとやっていればいいでしょう。

  人間は同じことをやり続けると、そのことしか考えられなくなってしまいます。しかし世の中には色々な人がいて、時に患者さんだったり、医療者だったりします。もし一つの考え方しかできなければ、答えを導き出せないこともあるでしょう。でももし、色々なことを知り、色々な考え方があれば、答えの無い問題も、答えを導き出せるかもしれません。

 

  知るべきである、というのは治療方法だけではありません。

  色々な人がいることを知るべきであると思います。

 

  色々な音楽がある、色々な人種がある、色々な生き方がある。

  目にする全てが、勉強になります。

  私は梅山先生には、クラブでお酒を飲んでふざけている時に知り合うことができました。

  遊ぶことがいかに大事か、分かるでしょうか。

  多分、人生で一番大事です。

 

  よく、仕事のできる人は遊びもうまい、と聞きますが、遊びほど身の入る勉強はありません。

 

  だから学生諸君、

  とにかく遊びやがれ!!

  そんでたまに、勉強しましょう(笑)