ひとりのセラピストのひとりごと

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アロマオイルの効能は本当に効く?アロマテラピーの研究と実際

 近年ブームのアロマテラピー。AEAJ(日本アロマ環境協会)の努力で、日本でかなり普及し、民間資格も増えました。アロマオイルの説明には、効能が書いてあります。不眠・ストレス・イラつき・生理不順・筋肉疲労・食欲不振・・・・・本当に効くのか、どれくらい効くのか。気になりますよね。今回はアロマテラピーの効能が本当に効くのか、効かないのか、科学的なことを書いてみます。

 

 

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研究は行われている

 アロマテラピーは薬理的(クスリのよう)な作用があります。もともと、クスリは植物から作られていましたから、植物のエキスを濃くしたアロマオイルがクスリに似ている、というのは理解できますよね。なので、アロマテラピーをして、血中濃度を測る実験は非常によく行われています。肌に塗れば吸収されますから、血液の中に入っていき、血中濃度が上がります。でも、多くのケースでは、血中濃度が上がったから、アロマテラピーの作用で何か起きているという証明が出来ていないのが現状です。

 

 

関係の証明が難しい

 アロマテラピーをすると、良い香りなので、気持ちがやすらぎます。これは事実です。ほぼ全ての生物が、香りを嗅ぐと「良いニオイ」と「悪いニオイ」を分けて、「良いニオイ」だったら、「ああ~~良いニオイだなあ、もっと嗅ぎたいなあ」と感じるようにできています。お腹がすいている時、カレーの匂いがしてきたら、どうでしょうか。食べたくなりますよね?そのような感じで、匂いは感情や行動を操作するきっかけになるのです。落ち着く匂いを嗅ぐと、人は少なからず落ち着くようになっています。

 

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 ただ、これは脳の複雑な機能がそうさせているので、アロマテラピーに絞って、「このアロマオイルはこういう効果」と証明するのが非常に難しいのが現状です。私はほぼ無理なのではないかなあと思っています。

 

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 なぜかと言いますと、天然由来のアロマオイルには、たくさんの成分が混ざっています。少しづつたくさん入っているので、この作用は、この成分のおかげだ、と断定するのがとても難しい。さらに、その成分はごく少量ですので、身体に与える効果もとても微弱なものです。そのため、データとしてはっきりとした根拠が得られにくいようになっています。

 

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しかし、果敢にもアロマテラピーと身体の作用の関係を調べる研究者はいるわけです。なぜ止めないのか。それは昔の(アロマテラピー界では)有名な論文があるからです。

 

 

アロマオイルの精神作用

 20世紀初頭にの精神医学研究者が、アロマオイルの神経の作用を示す論文を書きました。根拠のはっきりした、良い論文だったそうです。内容としては、オレンジ・スイートというアロマオイルを、不眠症患者に使用したところ、症状に改善があった、というものでした。

 

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 その後、第二次大戦でフランスの軍医が、クスリが切れてしまって、どうしようも無い時に、ラベンダーオイルを患者に塗布したら、すばらしい改善があったという論文を書いています。(しかしこの効果については、アロマオイルによるものではないとう否定もあります)

 

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 昔、アロマテラピーを科学的に研究し、きちんと文章を書いた人たちがいました。だから、研究する人が今もちゃんといます。

 しかし、アロマテラピーは現代では、化学としての扱いはあまりなされていません。なぜかというと、アロマテラピーのクスリのような作用は、効果が小さすぎて、証明できません。よって、医療において、効能を目的とした利用はされません。医療現場でアロマオイルが利用されるのは、一部の医療施設で、香りのもたらす精神作用を期待して、待合室や、手術の前に、香らせるようにしているそうです。

 

 

効能はウソ?ホント?

 ウソとかホントとか、かなり言いづらいのですが、上述した背景を考慮しますと、

アロマテラピーと身体の作用には、塗ったことによる直接の関係は無い

が、今のところ一番正しいと言えます。

 

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 たとえば、頭が痛い時、頭痛薬を飲むと、頭痛が治りますよね?このような直接的な作用はアロマテラピーでは起きないようです。ただし、ストレスでイライラして、頭が痛い時であれば、イライラが落ち着けば、頭痛も治ります。このような間接的な作用は、アロマテラピーに期待できます。

 

 

アロマテラピーの本当の効能

 香りの脳への効果は確かです。人間は嗅覚が退化しているとは言いますが、嗅覚は確かに存在し、心を変化させます。嗅覚がある以上、匂いとしての脳への効果は存在するのです。これを嗅覚刺激による効果、と言います。

 

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この嗅覚刺激による効果については、論文があります。個人的にすごいな、と感心したのは、認知症の改善にアロマテラピーが役立った、という内容の研究でした。改善の程度が人それぞれなので、これも批判意見はありますが、匂いによって脳が刺激され、機能しているのは確かですから、このような応用方法は実用的であり、しかもお金がかからないので、試す価値のあるものであると言えます。

 

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 しかし直接的な作用がないため、こういう報告は軽視されがちです。アロマテラピーは、簡単で、誰でも出来て、お金がかからないものですから、うまく使えば、高齢化社会や日本の医療の役に立つのではないか、と私は考えています。

  軽視されたり、誤解のある代替医療について、新しい使い方を考える専門家が増えることを願っています。

 

 

 

 

 ところで、ある飲み会で出会った医師が、「アロマテラピー検定とったんだ!すごいだろう!」って自慢してくれたことがありました。難しい難しいと恐れられる医学部を出た方がそのように気に入ってくれて、勉強して下さるなんて、とっても喜ばしいことです。

 

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 まとめましたように、アロマテラピーの真の効能は、身体というよりも、心、つまり脳に良いというのが今のところの、一番正しいと思われる結論であります。疲れたら、良い香りでリラックス。お試しください~~(^ω^)