ひとりのセラピストのひとりごと

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緊張や不安を落ち着かせる、こころと身体のトレーニング。深呼吸のやり方

緊張した時の対処法、どうされていますか?人という字を手のひらに3回書いて飲み込む・・・これは有名ですね。でも、おまじないよりももっと効果的に心を鎮める方法があります。それは、呼吸のです。緊張とは、心臓がドキドキしたり、呼吸がはやくなったりすることですが、これらの現象はすべて自律神経という生命を維持するための仕組みがはたらくことにより起きています。この自律神経は、自分で操作することができないため、緊張するとコントロールが効かなくなってしまうのです。

呼吸は、意図的に自律神経を操作する唯一の方法です。

 今回は、呼吸について。

 

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深呼吸は落ち着くことができる

 誰でも経験があるのは、緊張した時、どうやって落ち着こうか、という時。深呼吸が良いというのは一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。でも、緊張というのは別に面接や試験の前だけではありません。人が不安になった時、眠れない時、パニックになった時、それは心と身体が緊張しているためにおきています。感情的になっている時も、精神は揺らいでいる、不安定な状態です。これらを落ち着かせることは、いざという時の役に立ちますよね。深呼吸は、心を落ち着かせるためのトレーニングになるのです。

 

 

心臓と呼吸のしくみ

 緊張した時の、胸のドキドキは心臓が、呼吸が速くなるのは肺がはたらいているためですが、この心臓と肺は、胸の中の、同じ高さにあり、連動しています。ドキドキするのも、呼吸が速くなるのも、酸素をたくさん運ぶ為におきています。ドキドキすれば、呼吸は速くなるし、呼吸が速くなれば、ドキドキするわけです。

 内臓は命をたもつために自動ではたらく、自律神経というものに操作されています。心臓と肺、このふたつの臓器は、特に心臓が、自律神経に操られ、速くなったり遅くなったりしています。肺は心臓と連動していますから、心臓の動きを受けて、一緒にはたらいている、ということになります。緊張したときには、自律神経から命令を受けて、はたらく速度がかわるというしくみです。

 

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 ただし緊張は、神経だけが作用しているわけではありません。緊張のために神経が興奮すると、身体の中に、緊張を維持する物質が流れているので、これがある限りは、緊張は続きます。この物質が一度出てしまうと、元に戻るまでには時間がかかります。緊張とひとくくりに言いましても、色々なしくみがあって身体全体が緊張しているわけですね。 

 上記の物質が出るということも考慮しますと、緊張の為の深呼吸のタイミングとしては、緊張する前が良い、ということになります。そして、継続して呼吸をすること。こういった呼吸の技術は、武術など、冷静さを必要とする技術によく見られ、さらに、ほかのことにも応用できます。

 

 

武術や体術の呼吸法

 武術や体術には呼吸法の応用が非常によく見られます。ただし、武術の場合は、緊張を防ぐというよりも、適切なチカラを出力することや、冷静な判断を下すことが目的にされているようです。

 

ボクシングの場合

 ボクシングの試合中継で、選手が、パンチをする時に息を吐く声が聞こえることがあります。これは息を瞬時に吐くことにより、筋肉のリミッターを解除して、より強い力を出すため。ボクシングはパンチの時の一瞬の呼吸が有名ですが、武術は全体として呼吸を重視する傾向にあります。呼吸を整えることにより、神経を落ち着かせ、正しい判断をする。さらに、タイミングを合わせて息を吐き、より強い力を出しています。

 

体術の応用

  太極拳やヨガも、呼吸を大事にしています。ゆったりと呼吸し、身体の余計な力を抜いています。特にこういった体術の呼吸は独特で、訓練をつまないと真似できないようなものがあります。呼吸こそが芯になっている部分なのであろうと感じます。以前の同僚にヨガの先生がおられましたが、大変呼吸が美しく、やっぱりプロだなあ、と感心したことがあります。呼吸も、プロになると、美しくすらあるのです。

 

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 武術や体術に共通して言えるのは、呼吸を操作することにより、集中力を高め、チカラのコントロールをし、自分の心を冷静に保っています。チカラを出す、また、冷静な判断を保つ、その命令は全て脳が出していますから、良い呼吸は、脳をコントロール出来るということが言えますね。

 

不安・不眠・興奮に呼吸法

 神経は自分で動かせる「運動神経」と、勝手に動いている「自律神経」にわけられるのですが、内臓などの活動は、この自律神経によるものです。意識して動かすことが出来ません。1分だけ、心臓止めてって言われても、無理ですよね?それは勝手に動いている、自律神経がつながっているからです。この自律神経は自分で動かすことは出来ませんが、呼吸法を使えば、間接的に操作することが出来ます。

 

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 精神的な動揺がある時、すなわち、緊張時、パニック時、不安時、興奮時など、様々な考えが頭の中をめぐってしまう時、それは脳が興奮しているためにおきています。この興奮は、別のところへ注意をそらさない限りはなかなかおさまりません。脳が興奮すると、自律神経も眠るための準備ができなくなってしまいます。こういった時に、集中して深呼吸をすると、脳から呼吸へと注意がそれて、興奮が鎮まっていきます。

 

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 とはいえ、本当に緊張した時、パニックになった時は、呼吸まで意識が行かない方が多いでしょう。だから緊張するし、パニックになるのです。でも、普段のトレーニングにより、いざという時に呼吸に意識がいくようになります。不眠症や、不安症の方も、普段の「落ち着く」というトレーニングにより、もちろん個人差はあるでしょうが、心のコントロールができるようになります。

 

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 私自身、実際に大変不安の強い人間でした。感情的にもなりやすく、トラブルの多い人間であったと思います。呼吸のトレーニングが全てというわけではないでしょうが、色々な努力をした結果、今では人前で怒ることは全くありませんし、不安のために夜眠れない、ということもありません。落ち着く練習をすれば、落ち着いた人間になれるのです。

 

 

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呼吸の練習方法

 私はセラピストとして勤務していた時、ストレッチの時など、お客様に深呼吸をして頂いておりましたが、多くの方は「深呼吸して下さい」とだけ言われても、なかなかできません。「深呼吸」とは、息を吸って吐くだけではダメなのです。

 

やり方

 深呼吸をする時、集中して、今の息を全て吐くところから始めて下さい。いきなり吸うのは、深く吸えないことが多いです。一度普通に吐いてから、大きく吸って下さい。ここまで、と思うくらい吸ったら、今度はゆっくりと全て吐いて下さい。吐く時間の方が吸う時間がよりも長いくらい、ゆっくり吐いた方がいいでしょう。

 

 まとめると以下のようになります。

呼吸トレーニングのポイント

・深呼吸に集中する

・今の息を一度全て吐く

・ゆっくり深く吸って、ゆっくり全部吐く

・吐くときは、吸うときよりもゆっくりと

 

 メリット

こういった呼吸のトレーニングの最も優れた部分は、薬剤の投与なしに自分で精神のコントロールをする練習になる、というところです。不安神経症、うつ病、パニック障害や、怒りやすい人、トラブルを起こしやすい人は、自分の心をコントロールする練習になりますから、ぜひ行って欲しいと思います。一人で継続して行うのは難しいかもしれませんが、思い出したときにだけでも、「落ち着く」という練習は決して無駄にはなりませんので、時々でもいいですから、やってみて下さい。

 

 不眠症にも

 身体が呼吸で落ち着くということを学習すると、いざというときの役にたちます。練習する時間帯は、いつでもいいとは思いますが、時間を取れる、という意味では、寝る前が良いでしょう。深呼吸をするとたくさん酸素を吸うから、目がさめるのでは?と思うかもしれませんが、上述の「ゆっくりにするはたらき」が強くなっていきますので、脳の興奮が静まり、寝付きやすくなります。眠れない夜ほど、呼吸の練習を集中して行うことが望ましいです。不眠症の方にもおすすめです。

 

 

長友佑都のヨガ友(トモ) ココロとカラダを変える新感覚トレーニング

 

 

 今は便利な世の中で、うつ病のクスリをすぐ出してもらえるようになりましたし市販の睡眠薬も出るようになりました。でも、クスリを飲めない時ってありますよね。1番良いのは、自分でコントロールできるようになること。最初は難しいかもしれませんが、やらないよりは、良いはずです。ご興味のある方はぜひやってみて下さい。