ひとりのセラピストのひとりごと

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なぜ治らない痛みがあるのか?驚きの脳のメカニズム「痛みの記憶」

 友達が外国のマラソン大会に出るそうです。全く長距離を走ったことが無かったそうですが、練習で毎日走り出したそうです。急に始めたために「ランナー膝」になってしまい、休憩をしなければいけなくなってしまったとか。一度痛めてしまってから、治った後も走った後は膝に違和感が出るようになってしまったそうです。 

 実は痛みというのは記憶されます。今回は、長く治らない痛みは、記憶のせいもある、こんなお話です。

 

 

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脳は記憶する

 昨日の晩ゴハン、覚えていますか?掛け算の九九、言えますか?

 脳は様々なものを記憶します。データを入れて(記憶)、出す(思い出す)ことをしていますね。これは目で見たものだけではありません。実は痛みも記憶します。

 

大きな病気や怪我は記憶される

 骨折や捻挫、靭帯を怪我してしまった方は想像しやすいのですが、手足の大きな怪我は、治った後もずっと違和感が残ることがあります。鈍い痛みが残ったり、動かした時の違和感だけだったりと、程度は様々ですが、本当に無症状になるまでには、ずいぶん長くかかる方も多いです。この原因にはいくつかの可能性があるのですが、1つは、治らないところを怪我してしまった場合。

 

脳卒中の例

 身体は、大人になって完成すると、治らないところがあります。たとえば、脳卒中で頭の中を怪我してしまうと、脳の細胞が減ってしまい、身体に麻痺が残ります。そしてその減った細胞は二度と増えません。身体の半分が動かなくなってしまい、生活に大変な不便が伴います。

 

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 脳卒中は、脳の中で、血管がやぶけてしまい、血が出て、頭の中で広がる病気です。場所によって命に関わりますが、やぶけやすい血管があり、そこでやぶけると、右か左の、身体の半分が動かなくなります。言葉も不便になることもあります。治った後も、身体を動かす訓練(リハビリ)をして、回復を目指しますが、完全に元どおりになるというのはかなり難しい病気です。

 

 脳は、怪我をすると、治りません。他にも、たくさんそういう内臓があります。手足で言うと、膝の中にある、半月板や、関節を固定する靭帯という部分は、治りにくい場所です。だから、手術でボルトや代わりになるもので固定したりします。 

 皮膚に出来た怪我は治りますから、ちょっと信じられないかもしれませんが、そういうもののようです。

 

 

精神的な理由 

 もう1つは、痛みを記憶してしまって、ずっと痛い、ということがあります。とっても痛かった時、その後、同じことが起きないか、怖くなりますよね?痛かったことが深く記憶に残り、ずっと痛い気がする結果、実際に痛い、ということがあります。

 

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 これは、脳のしくみが関係しているので、怪我は治っていることがあり、この場合であれば、痛みを消すことは可能だと思います。しかし、患者さんの精神の状態に左右される部分が多いですから、痛みとはとても複雑で、治療は簡単でないな、と感じます。

 

 

忘れることは大切 

 しかし、痛みは忘れるという側面も持っています。女性の出産痛は、命が関わるほどの大変強い痛みだそうです。しかし、また産めるということは、女性の身体が強く出来ているということと、痛みを忘れる機能があるからだそうです。たしかに、ずっと辛かったことを忘れられないなんて、とても苦しいですよね。

 

忘れられない病気の人

 非常にマイナーで、私はテレビで見て知ったので、その情報の正確さは不明なのですが、忘れられないという病気の方がいるそうです。世界に数人しかおらず、生まれつき、全ての記憶が無くならないそうです。

 

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 勉強している学生からしたらうらやましいような病気ですが、忘れられないということは私たちが思っている以上に壮絶な苦しみがあるようです。どんなに悲しかったことも、どんなに辛かったことも、いつでも鮮明に覚えている。そして痛みも、です。どれほどの苦しみがあるのか、想像するのも難しいですが、忘れられないというのは、相当に生きる障害になるようです。

 

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 私たちの持つ脳は、非常によく出来ています。時に誤作動して幻覚や幻聴が現れることもありますが、非常に高性能で、無駄な機能がありません。 記憶は大事ですが、忘れることも、生きるために、とても大事なのです。 

 

幻肢痛

 幻肢痛という、おとぎ話のような病気があります。

 戦争の時、地雷を踏んでしまったり、敵に鉄砲で打たれてしまったりして、手足を無くしてしまった人がいました。命を取り止めて、傷口はふさがっても、無くした手足が痛い、ということがあるそうです。これを、幻肢痛と言います。

 戦地の看護師は、とっさに無くなった手足をさするような動作をして、痛みが治まった、というエピソードがあります。信じられないことですが、無くなってしまっても、痛みが出ることがある。これにも脳のしくみが関係しています。

 

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 脳は、身体の全ての命令が出ます。動いたり、感じたりします。これは、電線のように、神経が命令を伝えています。急に手足が無くなっても、手足の神経は、脳の中に残っています。そのため、神経がはたらいて、無いはずの手足が痛むそうです。

 

 

痛みを感じるのは脳

 最終的に痛みを痛みとして感じているのは脳です。脳のはたらきで、強くなったり弱くなったりします。私が接骨院で患者さんをみていて思ったのは、前向きな方は早く治っていきました。痛みを克服しよう、痛くても自分で出来るようになろう、と前向きにがんばる方は、自然と治っていったように感じます。

 ストレスの多い方は痛みも強くなりやすいです。心の疲れている方は、痛みに負けることがあります。身体は、心なのです。

 

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痛みを無くす方法

 この脳の機能を利用して、マッサージなどの徒手療法により痛みを無くす方法があります。まだ「仮説」と言われることもありますが、マッサージの業界では非常に有名で、実際に医療現場で利用されています。

 一応、法則や説の名前をタイトルにしていますが、難しいので名前については気にしないでください(笑)

 

ゲートコントロール説

 人間の身体には、触られたことを分かるための「感覚神経」がたくさんあります。神経は電線のように張り巡らされているのですが、それは本当に文字通りで、配線の関係で感覚を間違えることがあります。例えば脚に刺すような痛みがある時、お尻を広い面で圧迫すると、お尻の方の触られたという感覚が優先されて、痛みが消えるのです。

 

アルントシュルツの刺激法則

 また、神経は強い刺激で機能が弱くなる、という特性があります。例えば坐骨神経痛などで脚全体が痛い時に、お尻の下の方にある、坐骨神経を強く圧迫すると、その後に痛みが減っていたり、無くなっていたりします。ただし強い刺激自体に痛みがあることがあり、注意の必要な治療方法です。

 

鎮痛のナゼ

 上記に加え、病院で非常によく見るのが「ブロック注射」です。痛み外来などでよく見られるもので、麻酔薬を神経に向けて直接注射する、というものです。麻酔薬なので痛みが消えますが、薬の効果が切れると、理論上は痛みが戻るはずなのです。

 しかし実際はそのまま治ってしまう方もおられるそうで、人体の不思議なはたらきが存在しているようです。

 

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 実は人間の脳にはいい加減な部分もあって、「痛い」と思っていても、実際は治っていたりすることがある。痛みの記憶もこういった脳のいい加減なところから起きる現象と言えます。

 

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 ブロック注射など薬剤には身体に負担がかかりますが、薬剤を使わずに痛みを消す方法として、徒手療法があります。マッサージや鍼灸などです。鍼については特に痛みを消すことに優れていて、薬の手に負えない患者さんは、病院によっては鍼灸院を紹介したりして、しばしば鍼を受けるようです。 

 

 

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痛みとの戦いの休息

 痛みが消えたということは、病気や怪我が治った、というわけではありません。しかし、痛みが無い間、その患者さんは病気も怪我も忘れることができます。常に痛みと戦い続けているのですから、その時間は偉大です。その上、中にはそのまま治ってしまう人もいる。人間には、まだまだ知られていない事実がたくさん存在していることが伺えます。

 

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 痛みは非常に難しいトラブルのひとつです。完全に解明できていませんし、意見の一致しない部分が非常に多いようです。でも、私は、身体は心の現れだと思います。身体を悪くしたら、身体だけでなく、心も癒す必要があります。心の痛みの方が、ずっと痛いと思います。

 どこかを怪我したら、無理せずに、ご自分に優しくなさって下さいね(^ω^)