ひとりのセラピストのひとりごと

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鍼灸・医療はサービス業?お金持ちは良い治療を受けられるのか

私が通っているのは3年生の学校です。2年の後期を迎え、学校生活も半分、過ぎました。後半戦にもなってくると、将来どうなりたいか、ということを考え、行動している生徒もたくさんおります。私もある程度は絞っておりますが、今は色々忙しく、とりあえず学校と仕事で生活の基盤を作っている最中です。そんな中、クラスメイトの人に、こんな問題を出されました。

 「鍼灸は、医療であるか、サービス業であるか?」

 結論から申しますと、私はどちらの側面も持っていると思います。これは鍼灸だけでなく、全ての代替医療(病院でない、医療)に言えることだと思います。最近の病院でも、サービス業としての部分を持っているところもあるかもしれません。今回は、私の持論ですが、医療か、サービス業であるかというお話です。

 

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医療とは、サービス業とは

まず最初に、医療とサービス業の定義をここに書いておきます。言葉とは、使う人により意味が変わる時がありますから、この定義は、この記事だけとします。

 

医療とは

病気や怪我をした人を、出来るだけ確実に治療すること。その病気や怪我により、治療の難しさ(=治りやすさ)が変わる。治療の中には、患者に負担をかけるようなものもある。負担とは、お金だったり、痛みだったりする。病院医療の他にも、治療が目的なら、それは医療である。たとえば、足つぼ、健康食品、運動、おばあちゃんの知恵袋。ただし、日本の法律では、国家資格を持つ人が行うことが、医療となっている。 

サービス業とは

お金と引き換えに、サービスを売ること。サービスとは、お客を満足させるようなもの。例えば、耳かき、肩もみ、観光ガイド、車の運転、お酒のお酌など。食べ物を売る飲食店も、綺麗なテーブルや雰囲気の演出があるから、サービス業である。

 

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ざっとまとめるとこんな感じでしょうか。サービス業という言葉は、医療という言葉よりも、幅の広い言葉かもしれませんね。ある意味、お金が発生するものは、全部サービス業かもしれません。 

 

日本の法律、病院と鍼灸

代替療法とは、病院以外の、医療のことです。鍼灸もそうですし、マッサージも、アロマテラピーもそうです。日本は法律の規制がありますので、代替療法は医療としません。なので、日本の法律では、代替療法でお金を稼ぐことは、サービス業となってしまいます。ただし、より専門的なものには、国家資格があり、医療として使えるようになっています。それが、鍼灸師や、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師です。これらの資格には、独立開業する権利が、法律により与えられています。看護師は、病院で医師の指導がないと働けませんが、上記の資格者は、自分で治療院を開業することが出来ます。そこに、医師の指導は必要ありません。ただし、保険を使うとなると、医師の同意が必要になります。同意書、という書類を医師に書いてもらう必要があります。保険というシステムは、医師を中心に作られているのです。

 

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さて、今回は鍼灸師を例に考えてみます。

 

鍼灸師は、東洋医学を主体に治療を行います。(病院では、病院の考え方に合わせて、現代医療というやり方です)東洋医学は、科学的根拠が比較的少ないです。それは、科学的に説明がしにくかったり、証明できなかったりするからです。でも、歴史は病院医療よりも古く、ずっと使われてきた、先人の知恵です。人間を人間として見る治療法であり、人の心を尊重したものだと思います。

 

一方、病院医療は、病気や怪我を特定して、悪いところを治す、というやり方です。原因がないと治療が出来ないですし、人間よりも、病気や怪我を見て、やり方を考えます。そのために、病院は無機質であると感じる方も多いです。がん治療などはその代表的な例だと思います。抗がん剤は、激しい副作用があります。でも、病気を治すために、投与します。必ず全部治るわけではありませんが、そうしないと、ひどくなるかもしれません。患者さんは大変な苦しみを味わうことになりますが、病気を治すために、がまんします。

 

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患者さんやお客のことを考えた時、良い思いをしてもらう、満足してもらうということが目的ならば、それはサービス業です。病気を必ず治すことが目的ならば、それは医療ですよね。

 

 

リラクゼーションと鍼灸って、おなじ?

東洋医学は、人間全体をみます。なので、予防のために通ってもらうということもあり得ます。病院は病気や怪我をみますから、病気でも怪我でもない人は、みませんね。健康な状態でも通ってもらうことを考えると、それは、リラクゼーションと同じだと思います。ただ、やっていることが「マッサージのまねごと」か、「鍼灸」かその違いです。「マッサージのまねごと」というのは、リラクゼーションではマッサージを行なってはいけない、という法律があります。そのため、こういう言い方をしました。

 

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この、予防のために通ってもらうということに、私は少々違和感を覚えます。鍼灸が好きで、いつも行きたい!という方ならいいと思いますが、私は医療をしたいので、健康な人をみる必要は無いと思います。健康な人をみることは、誰でも出来ます。リラクゼーションでも十分です。鍼灸師は、国家資格があり、医療行為が行える免許ですから、病む人をみる、というのが適切だと思います。

 

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ここで書いたことをまとめてみると、医療は、病気や怪我の人に行うこと。サービス業は、健康な人に行うことということがはっきりしました。

つまり、例え鍼灸師でも、医師だとしても、健康な人に何か施術をするということは、それはサービス業なのです。

 

鍼灸業界の問題点

病院には、ひっきりなしに患者さんが来ます。それは保険制度があるからだし、法律のきまりがあるからです。医師がいる、という安心感もありますよね。医師の社会的信用が高いのも、病院が忙しい理由の1つです。

 

患者の少ない鍼灸院

鍼灸治療院は、病院ほど混雑しません。保険は医師の許可がないと使えませんし、たぶん、ほとんどの人は鍼灸は何なのかということがわかりません。風邪でも、筋肉痛でも、胃もたれでもなんでも治療は出来るのですが、それをほとんどの方は知りません。何より、一般の方は薬が好きな方が多いです。薬さえもらえれば、安心する方が多いと思います。それに、例えば風邪の症状でも、何か違う病気が隠れているかもしれない、と心配する方もいます。だったら、最初から病院に行って、検査をしてもらった方が安心ですよね。こういう理由により、鍼灸治療院は、病院にくらべて、ずっと患者さんが少ないです。

 

商売としての治療

患者さんが少ないということは、お金が稼げません。鍼灸師は業(仕事)として治療をしています。だから、自分の生活がかかっているわけですね。そうなると、健康な人でも、鍼灸が好きな人がいたら、予防のために、何度も来ていただくことを進める必要があります。患者さんの数は少ないですから、健康な人もお客さんにしないといけません。こうなってくると、これはサービス業以外の何でもないですよね。

 エステのような鍼灸院も最近は増えました。美顔鍼というものです。鍼灸は即効性がありますから、すぐに変化を実感できるので、モデルや女優さんも日常でよく使っているそうです。これは、サービス業ですよね。医療ではありません。

 

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病院とサービス業

病院の医療は病気を治す、という目的ですので、作業的、無機質的になりやすいです。そのために、病院を嫌いになってしまったり、不信感を覚える方も多いです。私自身も、そういった経験があり、一時はあまり病院が好きではありませんでした。

 今から30年くらい前、病院での医師の指示は絶対でした。父権主義という言葉があります。戦後の時代までは、お父さんの意見は絶対でした。それと同じように、医師もそうであったのです。現代は、医師の絶対権力を問題にして、患者さんを尊重して、医療を進めるようになりました。無機質な扱いを受けないために、病院全体が、患者さんを人間として捉える努力をしたのです。現在では、患者さんの意思で、治療を進める形になりました。

 

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患者の顧客化

「患者様」と言う言葉があります。お客様のように、患者に様をつける。最近の病院では、名前を呼ぶときも、〜〜様と呼ぶ所が増えたそうです。これが、良いことなのか、悪いことなのかは、私にはわかりません。

 患者さんの意思を尊重することは大事です。でも、患者さんは、医療を受けるならば、医師や他の医療従事者の指示に従わなければいけません。自分で治療をするわけではないからです。医師は絶対権力を持ってはいけませんが、医師という立場は必要なのです。それは、他の医療従事者も同じこと。患者は患者という立場でないといけませんし、医療者は医療者という立場でないといけません。

 名前の呼び方が変わったからといって、立場の意識が変わるかどうかはわかりませんが、あいまいになってしまう人もいるのではないかな、とは思います。

 

病院の好待遇 

大きな病院では、「特別室」があります。お金をたくさん払うと、良い部屋にしてもらえるんです。個室の病室で、テレビや電話、インターネットが出来たり、お風呂も部屋についていたりします。これは、病院の行う、サービス業ですね。お金を持っている人は、使えます。

 お金を持っている人が受けられる治療もあります。

 最先端のハイテク治療が色々あるのですが、例えば、がんの放射線治療で、最先端の技術があるのですが、これは、ものすごく大きな、難しい機械を使うために、ごくごく一部の、国の支援を受ける医療センターにしかありません。保険が使えないこともあり、そうなると、実費になります。とんでもない金額です。とっても、とっても、お金がかかります。こういうことは、まれかもしれませんが、その治療でしか、助からない人で、たくさんお金を持っていなかったら、助かりません。

 

医師の正義

医師の正義

 

 

お金が無い人は、助からない医療があります。 

これは、医療でしょうか。サービス業でしょうか。

 

 

地球にはたくさんの人間が住んでいて、たくさんのモノを作っています。モノは、お金のために作られます。お金は、人間の生活のために、必要です。だから、しょうがないし、これについてどうこう話しても、それは時間の無駄かもしれません。

 でも、お金が無いために、助からない人がいることは、全ての人が知っておく必要があると思います。

 

 

話がかなり大きくなってしまいましたが、世の中の、解決できない問題であり、医療者は、忘れないようにしておく必要があるのではないかな、と思います。

 お金が発生するものって、結局は全部サービス業なのかもしれませんね。