ひとりのセラピストのひとりごと

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精神科にも救急(ER)がある!救急精神医の現場と苦悩

 私は若い頃、うつ病にかかったことがあります。その時は、精神科にかかっていました。今は完全に治り、後遺症も無く、健康にすごしています。精神科は、うつ病や、パニックなど、心の病気のために、うまく生活ができない人の治療をする科です。心の病気っていうと、救急とはかけはなれたイメージですが、精神科にも救急科があります。ごくわずかですが、救急搬送されてきた精神疾患と思われる患者さんの手当をする病院があります。

 東京ではそのひとつが府中にあるそうですが、そこで勤めていた方の本を読みました。とても興味深かったので、ご紹介します。

 

 

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精神科ER緊急救命室

 

 

 精神科の先生が、救急科で治療をした手記です。とてもわかりやすい文章で、小説のようにエピソードが書いてあり、読みやすく、面白かったです。 

 

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 印象的なのは冒頭のエピソードでした。 

 精神疾患の方には、子供の時に壮絶な体験をしている方がしばしばおられるようです。冒頭のエピソードには、複雑な家庭環境のために、非行に走ってしまった少女が、悩み、暴れ、それと同時に先生が苦しむ姿が描かれています。救ってあげたい、治してあげたいとあまりに思ううちに、自分の生活もだんだんと崩れてきてしまって、先生自身も悩んでしまうようになってしまいます。その時、奥様に気づかされて、正しい治療が出来た、というエピソードです。

 

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 医療従事者の、患者を思うあまり、自分も苦しんでしまう、という現象はよくあることなのではないかな、と思います。

 

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 こちらの記事に我々はそれを防いでいる、ということをまとめました。

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 ERとは、救急救命室という意味です。東京都、石原元都知事が、海外でやっていたERのドラマに大変感動して、都の救急医療システムを改善しよう、と普及させた言葉だと伺いました。以前と比べてどう改善されたかは、私はよく知らないのですが、改善された今でも、救急車で待たされてしまう患者がいるというのは、まだまだ改善の余地があるのだな、と思います。

 

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 精神科で救急、と聞くとピンとこないかもしれませんが、意外とそういう患者さんはおられるようで、たとえば、つらい精神疾患のためにたくさんの薬を一気に飲んでしまったり、道端で急にパニックを起こしてしまい、会話がままならない状態になってしまったり、とか。他の文献でしたが、歯ブラシを飲み込んで運ばれる方が時々いるそうです。「えーっ!?なんで?」ですよね。

 

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 摂食障害(摂食障害とは、食べ物を普通に食べられなくなる障害で、食べられなくなってしまう拒食症とか、食べ過ぎてしまう過食症などがあります)で、嘔吐する時に、歯ブラシを使い、誤って飲み込んでしまって搬送されてくるそうです。・・・とっても怖いですよね。聞いただけで怖いんですから、きっと患者さんはもっともっと怖い思いをしているでしょうね。

 

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 この本によると、異常な興奮状態で、警察に「すまき」にされて運び込まれた患者さんもいたようです。最近は危険ドラッグなどがあって錯乱して事故を起こしてしまったり、救急搬送とかパトカーで運ばれる、とかそういう方も時々ニュースで拝見します。

 

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 私は一度、接骨院で勤めていた時に、錯乱して叫んでいる方を見たことがあります。それは、院の中ではありませんでしたが、すぐ近くの駐車場で、仰向けに倒れこみ、とっても大きな声で、助けてくれ、殺されると叫んでいました。パトカーが何台も来て、警察官も何十人とかけつけ、大変な騒ぎでした。その後は救急搬送されていきましたが、私たちも、一般の方も、異常な光景に、とても怖くなった覚えがあります。

 

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 危険ドラッグに限らず、精神疾患では幻覚や幻聴が出るものがあります。錯乱するというのは、大変重い症状ですし、暴れたり、自分を傷つけたり、周りの人に危害を加えては大変ですから、すぐに治療する必要があります。それは病気です。完全に治るかどうかはわかりませんが、精神科の救急の方は、錯乱の応急処置をします。

 

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 私は上記の接骨院の時のエピソードでは、とても恐怖を感じました。でも、救急の先生は、恐怖を乗り越えて、治療を施すわけですからすごい精神力だな、と思います。 

 救急救命の先生の本はたくさんあって、私は個人的には、他のどの科の先生よりも、熱い方が多いなあと感じます。とてもタフで、輝いていて、強い。そんな印象的です。あまり身近でない精神科救命室ですが、この本はとても面白かったです。ぜひ読んでみて下さい(^ω^)