ひとりのセラピストのひとりごと

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森博嗣先生の小説にどハマりしている話

私は年間100冊前後、本を読みます。以前は300冊くらい、雑に読んでいたのですが、学生になり量が減りました。一冊をきちんと読むようになったという傾向もあると思います。読む本は主に医学・生物学・遺伝子学の専門書ですが、ふと思いつきで買った本の中に、森博嗣(もり ひろし)先生のミステリー小説がありました。そこからどハマりし、なんども読み返すほどです。今回は森博嗣先生の小説について。

 

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森博嗣先生

 私は森博嗣作品が大好きですが、森博嗣先生についてはウィキペディアに書いてあることしか知りません(笑)その文面は、非常に論理的であり、言葉の選択に特徴があります。比喩も決して簡単ではなく、読者層を選択しているかもしれません。研究職など、聡明な人格の登場人物が出てくることが多く、一見すると内容の難しい文章のように見えます。しかしミステリーなどのトリック自体は非常に単純で、それを複雑化させているのはキャラクターの濃さなのだろうと思います。そのキャラクターは森先生の内から湧き出すものであり、よく知らないものの、きっと楽しい方なのだろうと思いますw

 

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一番大好きな作品

 一番最初に読み、そして今でも一番大好きなのが、ミステリー小説のS&Mシリーズ。最初に買ったのは「笑わない数学者」でした。なぜこれを買ったかというと、表紙がきれいな地球儀の絵だったんです。それが魅力的で、またタイトルも不思議な響きで、中身を見ずに買いました。読んでみると素敵なキャラクターがたくさん出て来て、中でも、主人公の犀川助教授は言葉では語れない魅力を持った人物で、みるみるハマってしまいました。

 

 

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&M

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&M

 

 

 S&Mシリーズはあっという間に読破したのですが、中でも一番気に入っているのは、最終作の「有限と微小のパン」です。S&Mシリーズは、大学建築学科の犀川助教授とその弟子、萌絵ちゃんが謎を解いていくミステリー小説ですが、その中で犀川助教授のライバルとして天才女性科学者が登場します。最終作にも登場しますが、その人間関係の距離がこの作品ならではです。時に近づき、時に離れ、形の変わっていく図形のようです。その距離感の揺らぎが非常に絶妙で、面白い。そして結末に結論を付けないのも私が気に入っている理由のひとつです。

 一般論では、その結末を限定しない曖昧なところが嫌だ、というような意見もあるようですが、私はだから良いと思います。物語に必要なのは、決まった結末じゃない。別の何かで、それは多様性に富み、作者の限定するところではないと思うのです。

 

 

有限と微小のパン (講談社文庫)

有限と微小のパン (講談社文庫)

 

 

 

学生が読んでほしい森博嗣作品

 最近読み終わった小説が、「喜嶋先生の静かな世界」という小説です。帯には自伝的と表記がありますから、森先生ご本人の体験なのかもしれませんね。少し調べてみると好書評がたくさん出て来ますから、人気の作品の一つ。学問に身を置いた青年の、思考や葛藤、人生が淡々と綴られています。タイトルにもある喜嶋先生は、主人公の指導教官で、一般からしてみるととんでもない変わり者。しかし天才であるがゆえの変人であるようです。こういう方が私は大好き。ここまで聡明な方は私の世界にはおられませんが、思考の洗練された方というのは非常にシャープで、クリアで、言葉がきれいです。私もこんな人間になりたい。

 

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 森作品を読んでいると、時々、思考の中に生死の存在が垣間見えます。非常に集中した思考では、その時、生命活動は止まっているのかもしれない。そういう表現が時々現れます。この作品の中にもありました。そして何となくですが、それは分かる気がします。

 私は学生ですから、勉強をします。特に暗記の時には、集中して、ひとつづつ言葉を繋げていくのですが、どうしても息を止めてしまいます。また、勉強や、あるいは文章を書いていたり、集中して思考するような作業をする時、食事を取ることを忘れます。気がつくとフラフラして、あ、そういえば食べてなかった、と思い出すような(笑)多分、こういうことをする人間はそれ程多くないと思いますので、分かる人には、分かるかも?w それほど思考している時、私は呼吸も食事も忘れますから、あるいは死んでいるのかもしれません。

 

 

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)

 

 

 森先生の小説は、ひょっとしたら読む人を選ぶものかもしれない。読む人が選ぶものではなくて、小説が人を選んでいるような気がします。 中には、大衆的な、単純で明快なミステリーもありますが、私の森作品が好きなポイントは、私たち読者が選ばれている感じがする、というところ。こういった感想は私の印象であって、読む人によって、受け取り方が違う作品であると思います。

 

 後にも先にもこれほどハマった小説家は現れないと思います。私には非常に刺激的な作品たち。他にも探しては読みますが、これほど私の嗜好に合った作品集はないのではないかな。まだ全部読んだわけではありませんので、これからも楽しみに、そしてゆっくり、読書していきます(´ω`)