ひとりのセラピストのひとりごと

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患者さんやお客さんに物をもらう問題

 医療倫理の中で、しばしば問題になり、学生にも特に注意することがあるのが、患者やお客から何かをもらって良いか?悪いか?という問題です。結論的には何であろうともらうべきでない、という見解が多く、それはその通りだと私も思うのですが、日本の文化ではもらわないと失礼にあたる場合があるのが非常に厄介なところです。

 今回は、この物はもらって良いか?とういことについて考えてみます。

 

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物をもらう場面

 医療やサービス業などでしばしば患者・お客から物などをもらう場面に出くわすことがあります。渡す方は「世話になったから」と感謝の意を込めてプレゼントをしてくれるようなのですが、これが現金であったり、高価な物であったりすると、受け取りにくい上に、トラブルに繋がりかねないので、悩ましい所です。

 

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 本当に感謝してくれて、何かの形で示したいという、純粋な気持ちであれば良いのですが、世の中には悪い人もいまして、「あげたんだから、ひいきしてよ」というようなことを、もし言われてしまうと、もらった以上従わざるを得ないというようなことがあるかもしれません。賄賂と一緒ですね。

 

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 諸外国では、こういう賄賂が普通である場所もあるそうです。しかし日本ではこういった平等性を欠く要素になりかねないものは、非倫理的とされますので、禁忌である場合が多いです。

 

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 問題なのは、「どこまでの物ならもらっていいか?」ということになります。現金はマズイですよね。でもアメ玉だったら?では商品券は?このように境界することが難しい問題なので、一律として「どんな物でも、もらわない」とする意見がありますが、実際は個人の判断に委ねられますので、人それぞれだと思います。

 

一般的な意見

 教育されるような一般的な意見では、もらうべきではないという見解が強く見受けられます。しかし「おつりはいらないよ」という人もまれにいますし、完全にもらわないようにするというのは難しいことであると感じます。諸外国では暗黙の了解で、「チップ」の制度がありますね。ですから、現金なんてもらってしまったら、それは賄賂だ!なんて心配したり注意したりするのは、真面目な日本人ならではなのかもしれません。

 

 

実際の場面

 私はリラクゼーションサロンや、接骨院、医療現場で働いてきましたが、ものをもらう場面はたくさん見てきました。

 

リラクゼーションサロンの場合

 リラクゼーションサロンでは、指名客や常連客との関係が深くなりやすいと思います。私は勤務しているお店でお客と個人的に仲良くなったことはないのですが、同僚は一緒に食事に行ったり、遊びに行ったりとかなり親しくなっている様子でした。私自身も、手作りのお菓子や、出かけた先で買ってきて頂いたおみやげをもらうこともあり、それは指名客であることが多かったので、もらっておりました。

 

接骨院の場合

 接骨院は地域密着型の店舗であるために、患者との距離がより近い環境です。ご近所の付き合いがあったり、知り合いのネットワークが広がったりしやすい所であると思います。年配の患者さんが多く、昔は「世話になった人には何かをあげる」という文化が根強かったようで、お年寄りの方では、よくお土産を持ってきてくださる方が非常に多かったです。

 

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 具体的にはおせんべいとかクッキーなど、お茶菓子をもらうことが多かったのですが、中にはうなぎのお弁当を一人ひと折り買ってきて下さった方もおられて、わざわざ人数分買ってきて頂いて、拒否するわけにもいきませんし、先生方も食べたかったので、ありがとうございますとすぐにもらってしまっていました。随分高価なものを頂けて恐縮でした。

 

病院の場合

 現在は病院で看護助手をしておりますが、やはり時々何かを渡される時はあります。しかし、現在の仕事は一人で作業することが多く、他の人に合わせる必要がないので、一律して断っております。それから、リラクゼーションでも接骨院でも良かったことでも、なんとなく病院ではマズい気がするので、トラブルを避けるためにもらっていません。

 

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結局どうしたら良いの? 

 私の体験では、断らなければいけないと倫理的な指導を受けていたとしても、結局社会では周りに合わせるしかないように思えます。接骨院でうなぎの折りを頂いた時は、人数分用意されていて、しかも他の人がもらっていたら、状況的に、自分ももらうしか選択のしようがありません。しかし看護助手の仕事は、一人でウロウロする時に声をかけられるために、断ることができます。

 

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 もし、賄賂が普通の社会であれば、もらわない人がおかしいということになりますし、そもそも今の日本社会でも、「なぜもらってはいけないの?」と言われると、「うーん。トラブルになるかもしれないから・・・」と、曖昧な答えしか出せない人が多いのかな、と思います。

 

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 実は学校教育の中でも、「良くないんじゃない?」くらいにしか言われていません。答えは各自に任せられているといった印象です。倫理的な授業の教科書などに、明言は見受けられませんでしたので、先生の説明で考えたくらいです。医療的倫理ではなく、社会的な倫理の問題なので、常識に従え、ということでしょうか。

 

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場面や相手によって判断の変わる難しい問題ですが、もし「欲しい!」と思っても、トラブルがおきて仕事が無くなってしまっては元も子もないですから、慎重に考えて、適切な対応を心がけていきたいものですね。