ひとりのセラピストのひとりごと

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【なぜイライラする?その2】イライラするのは身体からのサイン

 イライラすることは誰にでもあると思います。でもあまり気持ちのいいものではありませんし、頻度が多いとストレスになって、体調も悪くなってしまいますよね。イライラの原因は、自分の外にある場合と、中にある場合があると思います。

 こちらの記事に、原因が外にあり、脳がショートしてしまうことがある、という内容をまとめました。

 

参考記事

www.tenishoku-serapisuto.net

 

 

今回は、原因が中にある場合について考えてみます。それはつまり、体調の変化が起きているためであり、イライラするから体調が悪いのではなく、体調が悪いから、イライラする、ということです。

 

 

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体調不良のためのイライラ

 特に女性では、生理周期がありますから、身体の状態が刻々と変化しています。ホルモンの関係があり、ひと月のあいだに、イライラしやすい時と、そうでない時があるのです。しかしこれには個人差がありますから、そう感じている方と、感じていない方に分かれるところです。

 

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 また男性でも、体調が変化すると気分が変わってしまうこともあると思います。たとえば、お腹が痛くて、なかなか治らない時、痛みのために気分が悪くなってしまいます。痛みは気持ちを変えてしまう要素で、人類が最も痛いとされる病気はいくつかありますが、脳の痛みなど、全ての感覚を処理する「視床」という場所にできものができてしまうと、常に激痛を感じるということが起きるそうです。これは非常に激しく、この痛みのためにうつ状態に陥ってしまうことから、早い段階でもモルヒネなどの強い鎮痛剤を投与するそうです。

 

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 痛みのためにイライラすることは、病院などの臨床の場で非常によく見ることがあります。医療者からしてみれば、さほど怒るレベルでもないと感じても、患者さんは怒り、医療者に当たります。痛みは、それくらいに人の気持ちを変えてしまうのです。

 

女性のイライラ

 まず、女性のイライラについてから考えてみましょう。「女心は秋の空」という言葉がありますが、女性は気分が変わりやすいことがあります。これは、女性の身体の仕組みからきていて、男性は理解し難い部分であると言えます。

 

2つのホルモン

 女性には大きく分けて、二つのホルモンが身体の周期を作っています。その作用は複雑で、気分に関することは完全には解明されていません。2つのホルモンは交互に出ていて、その切り替えの時にイライラしやすくなるという意見もあります。

 

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 更年期障害では、ほてったり、のぼせたり、イライラしたり、うつ状態になったりと、多様な症状が出るそうですが、これは、生理が終わりそうになり、ホルモンが上手く出なくなってきて、バランスが崩れてしまい、そのために気分が変わりやすくなってしまうそうです。誰にでも起きることで、40代後半の女性では特に変化が起きていますから、周りの人の配慮が必要であると思います。

 

妊娠

 妊娠は心を変えてしまう大きな変化です。人間以外の哺乳類で、特に顕著なのですが、妊娠初期や、出産直後のメスは、非常に気性が荒くなっています。攻撃性があり、警戒心が強いです。時に他の生物を殺してしまうこともあります。これは、母としての変化で、子供を守るために身体がそうしているのです。

 

 

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 ヒトでもこれは言えて、他人を殺してしまうようなことはありませんが、怒りやすくなったり、泣きやすくなったりします。自分と、お腹の子供を守るために、身体が気分を操作することで、そのような変化が起きているのです。

 

 

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怒ると泣くは同じこと

 女性だけに限らず、怒る人は必ず同じだけ悲しんでいます。男性はあまり泣かないのでわかりにくいのですが、怒る量と泣く量は必ず一定になるように出来ています。これが病的になるのが「躁うつ病(そううつびょう)」です。躁とは、気分が興奮している時、うつとは、気分が落ち込んでいる時を指しています。

 

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 人間は色々な感情を持っていますが、「怒る」と「泣く」は、北極と南極のように、反対の極みです。どちらかだけしか持たない、というのは、普通の人にはあり得ません。ただ、怒っているところしか人に見せない人や、泣いているところしか人に見せない人がいますので、非常にわかりにくいところです。

 

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 妊娠中の女性と一緒に生活したことがある方は想像できるかもしれません。イライラする怒る感情のあとには、必ずどこかで落ち込んでいます。二つの極みの感情は、行ったり来たりしながら、全体のバランスを守っています。

 特に女性は、身体のしくみのために怒ったり泣いたりしていますから、ある程度、周りが許容するような社会が必要であります。

  

痛みのイライラ

 人は痛くてもイライラします。上述しました、「視床」が壊れることによる痛みが最強であるという意見もありますが、痛みのキャパは人それぞれで、その人が耐えられないと思う痛みは、もうその人にとっての限界です。これは非常に強いストレスとなり、生活を障害する大きな原因になります。

 

痛みの種類

 痛みには大きくわけて「急性痛」と「慢性痛」があります。急性痛というのは、足をぶつけて怪我をして痛い、というような、始まってからの期間が短い痛みのことです。怪我の程度によって、治っていくものですので、急性痛では心が変化していくようなことは特に問題視されません。

 

慢性痛は気持ちを変える

 ただし、怪我をしてから何年も時間が経ち、それでもまだ痛い、というような慢性痛の場合は、次第に人の気分を変えていってしまう傾向があります。強い痛みが長く続くと、外出するのがおっくうになって、内向的になってしまいます。痛みだけでなく、気持ち悪いとか、ふらふらするとかが長く続けば、誰でも内向的になり得ます。

 

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 こういう病気のための気分の変化や、生活の不便は、医療においてとくに重要視されていて、「生活の質」と表現され、医療者はこのために治療を改善していくことになります。とくに治らない病気の患者さんは、病気の治療よりも、生活の質を上げることが重要になってきます。とても難しい問題ですが、昔に比べとても大事にされていて、現代の医療はいい方向へ歩んでいるな、と感じます。

 

私のイライラ

 余談ですが、他人にイライラしないと申しました私ですが、日によって勝手にイライラしていることもあります。それは、月曜日です。

 私はシェアハウスに住んでいるのですが、最近は下手ながら英語で話すことが多く、平日の昼間と、週末で、使っている言語が違います。これは脳に負担になるらしく、特に月曜日の朝、無性にイライラすることがあります。以前、外航船に勤めていた友人にこのことを話したところ、彼も同じ現象が起きたと仰っていました。数ヶ月で慣れたとのことでしたが、当分はイライラしやすい朝が多そうです。

 

 

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気持ちは身体に操作されている

 人間は、誰でも「自分らしさ」を自覚しています。「自分は自分である」とはっきりと認識していますよね。さらに、程度は異なりますが、自分の性格の傾向も、ご存知な方が多いと思います。「イライラしやすい」「イライラしにくい」「楽観的」「悲観的」など。しかしこれは、ひょっとしたら身体が操作しているのかもしれません。

 

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 よく「人の性格は簡単に変わらない」と言いますが、私はそうは思いません。病気や怪我、自分の意思で、柔らかい金属のように、簡単にねじ曲がってしまうように感じます。体調が悪ければ、気持ちも落ち込んだり、イライラしたりします。それは自分の意思ではありません。身体がそうさせているのです。

 

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 簡単に変わらない部分ももちろんあるでしょう。とっても几帳面な人に、「気にするな」と言っても、それは大変なことです。私はよく「考えすぎ」とか「考えるな」とか言われますが、自発的に活動する脳を止めることはできません。しかし感情は簡単に変わってしまいます。感情の傾向も、簡単に変わってしまうのです。

 

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感情は自分で操作できない

 感情は自分の意思で操作できないと感じます。嫌いな人を見たら多少は嫌な気分になるし、痛い思いをしたら悲しくなります。それは好んでやっていることではありません。ただ、他人が「あの人は感情的な人だ」と感じるのは、それをいかに表現しているか、という問題になります。

 

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 イライラしている時、人に当たってしまったら、「ああこの人はイライラしている」と気付かれますよね。イライラすることは誰にでもあります。それが普通です。イライラしないようにして、と言われても、それは不可能なのです。ですから、イライラしている時は、仕方がないことであり、収まるのを待つことが必要ですから、トラブルを避けるために、人と距離を置くとか、休憩することがとても重要です。

 

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 もしイライラしやすいと自分を責めたり、人を責めたりすることがあるのであれば、それは普通であると、肝に命じてください。人はイライラすることがあるから、思いやりが必要なのです。自分がそうしてほしいように、イライラしている人がいたら、そっとしておいてあげる。それが、トラブルを避け、円滑な人間関係を保つために、一番重要であると思います。

 

 

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