ひとりのセラピストのひとりごと

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指定感染症、出血熱が恐ろしい3つの理由。感染拡大にはアフリカ大陸の社会情勢がある

 最近のニュースはトランプ大統領で持ちきりですが、少し前までは、「エボラ出血熱」が流行したというニュースが流れていました。主にアフリカ大陸で流行し、たくさんの死者を出す大変な流行病だそうです。感染力が強く(うつりやすく)、旅行でアフリカ大陸へ行き、帰国した人からまた広がるということも、外国ではあったそうです。このとても恐ろしい「出血熱」、一体どんな病気なのでしょうか?

 

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感染症とは

 出血熱を含めた流行病は、全て広い言葉で「感染症」と言います。「感染」とは、ばい菌などが身体に入って、病気になってしまうことです。風邪もインフルエンザも、感染症の一つです。人から人にうつるものや、動物から人にうつるもの、動物から動物にしかうつらないもの(人にはうつらない)があります。

 

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 原因はばい菌のように、目に見えない小さな生き物です。目に見えない生き物は空気中にたくさんいますが、暖かい方が増えやすかったり、寒い方が増えやすかったりします。気温が生物の行きられる限界を超えると、ばい菌は空気中からいなくなりますので、冬にはマイナス40度を下回る南極大陸の昭和基地にお勤めの方なんかは、風邪を引かないそうです。

 

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 ちなみに北極よりも南極の方が寒いようですね。地球観測史上一番寒い気温は、南極のマイナス89.2度だそうです。どのくらい寒いのかわかりませんね(笑)冷凍庫の6倍くらい?うーん。生物が死滅する温度なので、空気がとてもキレイだそうです。

 

 

参考記事

www.tenishoku-serapisuto.net

 

 

出血熱とは

 出血熱には、厳密には「ウイルス性出血熱」と、そうでない「出血熱」があるそうですが、ここでは感染症の「ウイルス性出血熱」についての説明をします。

 主な症状は、高熱、精神の変調、出血しやすくなる、などです。ウイルス性出血熱にはいくつか種類がありますが、いずれもアフリカ大陸の南の地域で発症した病気です。ウイルスが原因で、普段は動物の中にいるそうなのですが、その動物を人間が食べるなどして病気になったことがきっかけなのでは、という考えがありますが、詳しいルートは不明だそうです。

 

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 いくつかあるウイルス性出血熱の中で、最強と言われるのが、「エボラ出血熱」です。死亡率は50%〜80%だそうで、猛威を振るいました。致死率についてはピンとこない方も多いと思うのですが、50%と言ったら、とんでもない高さです。もし助かったとしても、ひどい後遺症が残ることがあるそうで、治すのが大変な病気であると言えます。

 

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 有名な「エボラ出血熱」の他にも、「出血熱」と名前のつく病気はいくつかあります。出血とは血が出ることを意味していますが、熱が出て血が出るとは、どういうことでしょうか。ちょっとイメージしにくいですよね。

 

 

身体を治すしくみ

 生き物の身体には「炎症」というしくみがあります。これは、傷や病気を治すためにあって、赤く腫れたり、痛みが出たり、熱が上がったりするものです。膝を擦りむいた時、怪我の部分は血が出て、腫れて、痛くなりますね。次第にかさぶたになって、治っていきます。

 

 風邪を引いた時、寒くなって、熱が出て、顔が赤くなりますね。実は怪我も風邪も、同じ「炎症」というしくみで治っていっています。ただし、全身の熱を上げるのは、少し複雑なしくみがありますが、基本的には同じ「免疫」というしくみがはたらいています。

 

炎症のいろいろ

 炎症は、基本的に血流を変えることをしています。流れを止めたり、良くしたりして、血に入っている免疫や、栄養をうまく使って、早く治そうとするはたらきです。

 

 流れを止めている時には、血液が長い時間そこに居ることになり、そうすると血液から血管を超えて内容物が滲み出てくることがあります。これを難しい言葉で滲出性炎と言うのですが、血液には赤い色のもとの他にも、実は色々なものが溶け込んでいます。

 

 

漿液性炎症

  例えば血液には「水」が含まれています。だから流れるほどにサラサラなのですが、これが滲み出てきてしまうと、「痰」や「鼻水」の原因になります。「カタル」と言われる症状で、風邪などを引いた時、喉や鼻からサラサラの水が痰・鼻水として出てきます。このサラサラの水がしみ出てくることを、漿液性炎と言います。

 

 他にも、血液には「線維」が溶けています。血は、血管が壊れた時のために、穴をふさぐ材料を運んでいるのですが、これが「線維」です。線維がしみ出てきてしまうこともあります。

 

 

線維素性炎症

 子供の時に、予防接種でする、「三種混合ワクチン」というものがあります。あれは「百日咳」「破傷風」「ジフテリア」の3つの感染症の予防接種なのですが、このうちの「ジフテリア」という病気は、線維がしみ出てくることがあります。喉や鼻の奥に、線維が膜のようなものを作り、咳や呼吸困難の原因になります。

 

 このように、線維がしみ出てくる炎症を、線維素性炎と言います。他にも線維がしみ出てくる病気がありますが、どれも比較的大変な病気であることが多いです。

 

 

出血性炎症

 出血熱は、血液の赤い色がしみ出てくる病気です。身体の外にしみ出てきたり、内臓の中にしみ出てくることがあります。血液の赤い色は、「赤血球」という鉄の原子を含んだものです。赤血球の仕事は、酸素を運んでいるのですが、これが無くなってしまうということは、全身に酸素がいかなくなり、致死的な状態になってしまいます。出血熱は、命に関わる、さらには、命を落とす可能性の高い、大変な病気なのです。

 

 

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感染のルート

 感染症には強さがあります。うつりやすさ、病気のひどさ、命の落としやすさなどです。強い病気とは、うつりやすく、程度が悪く、命を落としやすいということが言えます。 出血熱はつよい病気です。この3つの条件のどれもが当てはまると言えます。

 

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 しかしうつりやすいと言っても、うつるのには何らかの道すじがあります。例えば、風邪やインフルエンザは空気を介してうつりますね。出血熱の多くは、血液感染です。病気の人の血液に触らなければ、うつりません。病気の人をちゃんと隔離して治療すれば、広がることは無いのです。アフリカ大陸でエボラ出血熱があれほど猛威を振るった理由には、アフリカの事情が関係しているのです。

 

 

アフリカ大陸の事情

 アフリカ大陸には貧しい国や、内戦のある国があります。物が足りない国は多く、食べ物にも困る人たちは非常に多いのが現状です。もちろん医療も足りていません。医療に使う道具はお金がかかるものが多く、衛生を保つためには使い捨ての手袋や注射針が必要ですが、こういった物資が不足してしまうので、手袋を着けなかったり、注射針を使いまわしたりしてしまうと、感染が拡大していく原因となってしまいます。

 

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 最悪なのは医療従事者への感染です。医療従事者はたくさんの病人に接しますから、免疫力の弱った、つまり、うつりやすい人にも接することがあります。もし医療従事者が病気を運んでしまうと、たちまち病気の人の人数は増えることでしょう。

 

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 このような社会的背景の結果、病気は猛威を振るいました。緊急事態宣言が出るほどに大変なことになりました。そしてまだ沈静化してはいません。貧しい国、医療の不足した国では、常にこういった危険が存在しているのです。

 

 

日本の感染症対策

 日本では季節があり、気温が高いまま維持されることはありません。さらに日本人には清潔な国民性がありますから、感染症は比較的、はやりにくい国であると言えます。出血熱など、暖かい地域の病気が日本に来るとしたら、誰かが運んで入って来る、ということになります。これを防ぐために、日本には感染症を防ぐための法律が整備されています。

 

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指定感染症

 法律では危険度の順に、1類、2類と感染症が分類してあります。1類感染症は、最も致死的で、危険な感染症です。ウイルス性出血熱はこれに含まれます。出血熱の他には、痘そう(天然痘)、ペスト(お腹の病気)が含まれています。

 

 ちなみに天然痘は絶滅したと言われています。昔は人を死に至らしめる危険な病気でしたが、人類はその戦いに打ち勝ち、天然痘を絶滅させたそうです。現在は法律だけに残っている、古い病気となっています。

 

空港での検疫

  空港では病気を検査するための場所があります。検疫です。運び込むものや食べ物だけでなく、具合の悪い人を検査するための場所もあります。もし熱が高いと、ここで質問されることがあるそうです。最近では、熱帯地域からデング熱を運んだ人が検疫をすり抜けて、問題になりました。日本には無い病気で、重篤化(命に関わるほどひどくなる)の可能性がある病気ですので、ニュースで騒ぎになりましたね。

 

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 出血熱は、致死的な、大変な病気です。しかし、適切な処置が行われれば、人口を脅かすほどの自体にはならないのです。人がたくさん亡くなる時、そこには理由があります。出血熱の流行は、アフリカ大陸の情勢を反映したものでした。

 日本は安全な国だから、と安心せずに、なぜそこで病気が起きたのか、どうしてそこでたくさんの人が亡くなったのかを考えるということは、とても大事なことです。ぜひ、考えてみてください。