ひとりのセラピストのひとりごと

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鍼灸はこわい?本当は痛くない、鍼灸治療。鍼と注射針を比べてみた

  鍼灸治療はほとんどの日本人がご存知かと思われますが、実際に経験のある方は全人口の1〜3%と言われています。

  「鍼ってなんか良いらしいけど、こわいからやったことない」という意見を非常に多く耳にします。しかし、鍼はみなさんが思っているほど痛くないし、怖くもありません。

  今回は、鍼の太さや種類、治療の時の痛みの程度について説明してみます。

 

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日本の鍼灸治療現場

 日本の鍼灸治療は多くは接骨院とか、鍼灸院で行われています。まれに、病院でも行なっていますが、保険適用の問題があるので、主流ではありません。

 

  鍼とは、ステンレスや銀などから作られる合金でできた、医療用の細い鍼を使います。針という漢字もありますが、漢字の意味はほとんど同じですが、医療用のハリには一般的に鍼という字が使われます。

 

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  鍼は身体に刺し、お灸は皮膚に直接火を乗せますので、小さな傷ができます。その傷を治そうとする身体のはたらきが、他の怪我や病気も治す「自然治癒力」を上げる効果が一般的に知られていますが、その他にも、薬剤を使わない麻酔効果があり、上手く使えば、痛みを止めたり、色々な怪我や病気を治す助けになります。

 

 

  特に鍼は、鍼の刺激を、脳が間違えて処理することがあります。

  たとえば、腰が痛い時、足に鍼を打つと、脳が間違えて足の鍼に注目するので、腰が痛く無くなる、ということがあります。これを利用したのが「鍼麻酔」という技術的です。

  最近は薬剤の麻酔技術が発達しましたので、あまり聞かなくなりましたが、昔は歯を抜く時や、本麻酔の導入などに使われていたそうです。

 

 

日本で使われる鍼

 鍼にはいくつか種類がありますが、現代の臨床現場で見るのは、主に「和鍼」と「中国鍼」です。

 

和鍼

 日本の治療現場で非常に多く見るのが、「和鍼」という鍼です。これはとても細くて柔らかいので、それだけで刺すことはできません。「鍼管」という管に入れて、持ち手の部分を指先で軽く叩いて打ちます。

  叩いて鍼先を入れた後は、ゆっくりと捻りながら目的の深さまで入れて行くのですが、この深さは、治療によって異なり、例えば皮膚だけならばそれ以上入れませんし、筋肉まで刺したい時は、その筋肉に当たるところまで、場合によっては10cmくらい刺す時もあります。

 

中国鍼

  和鍼に比べて太めのものが、「中国鍼」と呼ばれる鍼です。こちらは鍼管を使わずに、そのまま「エイッ!」という感じで、文字通り打ちます。そのため、しっかりした素材でできているものを使っていて、痛みも和鍼に比べるとややある、と言えます。こちらも打った後に、目的の深さまで入れていきますが、鍼がしっかりしているので、捻らなくても、速く刺すことができます。

 

 中国は鍼発祥の地ですので、中国の鍼は広い意味では種類がたくさんありますが、一般的に、「中国鍼」とだけ言った場合、鍼管を使わないしっかりとした鍼のことを指しています。

 

注射針とは全く違う

 よく勘違いされるのが、「鍼」と聞いて、注射針を想像される方がいます。病院で使われている注射針は、大体0.6〜1.2mmくらいのもの。これは中が空いていて、薬剤や血液が通るために、太くなっています。ところが、鍼灸治療で使われる鍼は、中が空いていません。なので和鍼については単位がヒトケタ違います。大体0.12〜0.3mmくらい。

  鍼は、注射針の10ぶんの1の細さしかありません。

 

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 単位を一つ落とすと、わかりやすいでしょうか。ミリメートルのひとつ下の単位は、マイクロメートルです。μmと書きます。1000マイクロメートルが、1ミリメートルですから、以下のようになります。

 

注射針・・・0.6〜1.2mm(600〜1200μm)

治療用和鍼・・・0.12〜0.3mm(120〜300μm)

治療用中国鍼・・・0.3mm〜(300μm〜)

 

  ケタが違います。

  鍼灸の鍼はビックリするほど痛みがないのです。

 

 

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どのくらい痛い?

  でも、細くても鍼を刺すわけですから、多少は痛い時もある。

  痛みの感じ方には個人差がありますから、どのくらいと一言で言うのは難しいのですが、とにかく「思っているよりは痛くないですよ」と言っています(笑)

 

  鍼灸師の腕にもよるのですが、普通は全く痛くないか、ちょっとチクっとしたな、くらい。学生同士で打っていると、みんな下手なのでイタタ、となりますが、免許をとった鍼灸師で痛かったことはほとんどありません。

 

響き

  鍼が筋肉や筋膜など、何かに当たった時、独特の感覚が出る場合があります。

  これを一般に「響き」と言いますが、響きは目的によってわざと出したり、出さなかったりします。もし患者さんが鍼を打つことが初めてで、こわいと言うようであれば、響きを出さないように鍼を打ちます。

 

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  響きは独特な感覚です。鍼でしか味わえないような、なんとも言えない感じがします。

  中国鍼の授業で、クラスメイトが先生に響きを体験させてもらっていたことがありましたが、みんな上手く説明できず、「どんな感じ?」と聞くと、

 

「あ〜〜〜んんぅ〜〜〜・・・って感じ・・・」

  という意見が・・・。

  どんな感じだ(^_^;)

 

 あえて何かに例えるとするならば、私は「歯がしみる」感じに似ていると思います。痛いというか、「歯がしみる〜〜!」って感じ・・・。うーん、分かりにくいですね(^◇^;)

 

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 和鍼と中国鍼は、日本人向けの痛みの無い鍼です。しかし、鍼にはものすごく種類があり、中には「刺さない鍼」「痛い鍼」「やたら長い鍼」、現代では法的な問題で無くなりましたが、「切る鍼」というものも昔はありました。 

 鍼の種類も歴史を感じる面白いものだと思いますので、また機会を改めて紹介したいと思います。