ひとりのセラピストのひとりごと

ひとりのセラピストのひとりごと

ひとセラは、手に職つけたい人、つけた人の総合情報ブログ。

人間の設計図がある!?DNAと遺伝子の話

 学校の隣の建物が立て替えで解体されました。一棟のビルがまるまる無くなって、こんなに陽当たりが良くなるのか、とびっくりしています。ビルには設計図があり、それを元に建物を作りますね。洋服も、靴も、デザイン画という設計図があります。実は、人間にも設計図があるのです。今回は、人間の設計図の話。

 

 

f:id:mogemilk:20170217104338j:plain

 

関連記事

www.tenishoku-serapisuto.net

 

 

その名もDNA

 人間など生物の設計図は、「DNA」というものです。人間を始め、生物はタンパク質で出来ていますから、このDNAもタンパク質と同じ原料からできています。DNAとは略称で、正式名称は「デオキシリボ核酸」と言います。

 

4文字しかない設計図

 この設計図は、2本の長い鎖のようなものが、らせん状に絡まっていて、その間には2本をつなぐ1本の鎖があります。この鎖は、4つの「遺伝子」が繋がったものです。4種類の遺伝子だけで作られています。ですから、設計図に例えますと、人間はたった4文字だけで設計図が書かれているのです。

 

f:id:mogemilk:20161211004818p:plain

 

 こんなに複雑そうな人間の身体は、たった4文字で書かれています。日本語だってあいうえおが50音、アルファベットは26文字。でも人間はたったの4文字です。信じられないですよね。

 

4文字で設計図が書ける理由

 実はDNAはとっても長い鎖です。この長い鎖の中の、4文字の並びが何種類もあって、その並びによって設計図が表現されています。この組み合わせはこれが作られて、あの組み合わせはあれが作られる、というように、身体の部品ごとに、文字の並びが違うのです。だから、身体は複雑な形をしていて、髪の毛があったり、目があったり、胃腸があったりするというわけです。

 

設計図でタンパク質をつくる

 もう少し詳しく言いますと、設計図にはタンパク質の作り方が書いてあります。人間の身体は小さなタンパク質がたくさん集まって出来たものです。だから、設計図からタンパク質を作るということは、人間の身体を作ることになるのです。

 

タンパク質の作り方

 設計図からタンパク質を作るのは、色々なしくみが関係しているのですが、設計図を書き写す係の人がいます。これをmRNAと言います。小文字のmは、メッセンジャー(Messenger)の略です。この人が設計図を書き写し、職人がタンパク質を作る。日本の中小企業みたいですね。

 

 

f:id:mogemilk:20170217112158j:plain

 

 

人間の設計図を解読する計画

 設計図が見つかったのは1950年前後。化学の歴史の中では、最近です。設計図がどんな風に書かれているのか研究がされ、人間にも設計図があるから、これを全部読んで、どこに何が書かれているか調べよう!という計画がありました。

 

ヒトゲノムプロジェクト

 人間の設計図のことを、専門用語で「ヒトゲノム」と言います。ゲノムは4文字で書かれていて、一見何のことかわかりません。神様が作った設計図は、人間にとっては暗号でしかないのです。この暗号を調べて、全部読もうとする計画が1990年、アメリカで発足しました。設計図は鎖のようで、とても長く、暗号も膨大でしたので、コンピューターを使って暗号を解読していきました。当初は15年で全部解読する計画でしたが、研究者の努力により、13年で終わってしまったのです。

 

f:id:mogemilk:20161211004316p:plain

 

 人間の設計図が読み終わったのは、2013年。けっこう前ですね?そう、今現在、人間の設計図に何が書いてあるかは分かっているのです。解読が終わったのは、世紀の大発見でした。読み終えてみると、「眉毛を生やす遺伝子」とか、「ハゲになる遺伝子」とか、色々分かったのですが、研究者はあることに気づき、がっかりしました。それは、「人間は人間を作り出すことはできなかった」ということです。

 

 

人工人間は作れない

 暗号の解読が終わっても、何がどこにあるかが分かったくらいで、人間を作ることは到底できないな、ということが分かりました。ひょっとしたらすごく難しい病気を治したり、生き物を作り出せたりするのではないかと期待した人もいたのですが、どうやらそれは難しそうだった。

 

f:id:mogemilk:20161211004719p:plain

 

材料だけあつめて、生き物を作れないか、という研究は行われていました。どうやっても作るのが難しかったのですが、日本の大学の研究チームが、ウイルスを作ることはできたそうです。しかしウイルスは、生き物というにはあまりに生き物らしくない。タンパク質のかたまりのようなものです。がんばっても、今の技術ではそれが精一杯でした。

 

f:id:mogemilk:20161211004316p:plain

 

 でもそれはその時の技術です。ヒトゲノムプロジェクトが終わってから、新しい発見があったり、発表があったりしました。iPS細胞はニュースで話題になりましたね。iPS細胞から、人間の内臓を作れないか、と研究していて、目の一部でヒトに対しての実際の手術が行われようとしています。難しい技術で、成功するかどうか分からないのですが、人間が無くした内臓を作るようになる時代は、すぐそこまで迫ってきているのかもしれません。

 

 

f:id:mogemilk:20170119183431j:plain

 

 

がんばれ研究者!

 遺伝子の研究は色々な研究施設で行われています。病気の遺伝子、天才の遺伝子、そんなのが分かったらすごいな、と思って、一生懸命研究されている。それは大変な作業で、知識の量もとんでもなく必要ですから、研究職の方っていうのは、選ばれし者というか、ある意味人知を超えているなあと思います。

 

f:id:mogemilk:20161211004316p:plain

 

  研究者の方々は大変な下積みをしています。それなのに、そのほとんどの方が日の目を見ない。まさに、縁の下の力持ち。影の主人公です。カッコいい!!そんな大勢の研究者の努力があるから、今私たちはこうして便利な暮らしをしているのです。あまり知られない人たちですが、そういう人たちのおかげだということを、心のどこかに置いておいてほしいと思います。