ひとりのセラピストのひとりごと

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学生が鍼灸師の刺鍼練習会に行ってきた!鍼灸師の特殊感覚

 先日取材させて頂いた岡野浩人先生のご厚意で、先生主催の若手鍼灸師向け刺鍼練習会へ参加させて頂きました。

 

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  結論から言うと、学校の成績が良くても現場で使い物にならねーな・・・ということを痛感これから経験で身についていく感覚なのでしょうが、プロと学生では決定的に違うものがありました。

  今回はこの練習会のレポートです!

 

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  ちなみにこのトップ画は私の手元

  手だけ見るとプロっぽいのになあ。

 

取穴の仕方を研究しよう!

  今回の勉強会のテーマは取穴

 鍼灸師は全身に約400あるツボを使って身体を治療します。ツボには「並び」があり、それを経絡と言いますが、経絡には個人差が激しく、体調によっても変化するそう。

 

  他の医療従事者の方は解剖学をイメージして頂くといいでしょうか。

  アトラス(解剖学書)にある臓器の配列は厳密には大きさ・形など個人差が激しくわかれます。希には右にあるものが左にあるとか、そもそも無い、という奇形も存在しますね。

  同じような体格の人でも、身体の使い方によってある部分が肥大したり、萎縮したりします。このように身体には個人差がありますが、それはツボも同じことが言えるのです。

 

  さて、ツボには目印がありません。一応、体表解剖学的な指標はWHOにより決められていますが(ツボは世界規格なのです!)、臨床では患者さんごとに違うツボを発見しないといけません。

  この、ツボを発見し、取る、ということを取穴と言います。

 

  鍼灸師は取穴をしてどこにはりきゅうを打つ・据えるかを決め、即時に手早く治療していきます。

  この基本とも言える取穴のやり方を教えて頂きました。

 

受講者

  小規模な練習会でしたので、いらしている方々は講師を含めて6人程。 私以外は全員資格者の方々でした。

  訪問医療の先生が3名、鍼灸接骨院の先生が1名、そして鍼灸学校3年生の私。

 

  自慢じゃ無いですが私は勉強が好きですし、成績はかなり良い方。実技テストも大半は高得点を出していますので、ハッキリ言って肩を並べられるだろうと思っていました。

 

  この思い上がりが後悔することになるとは思ってもいなかった・・・・。

 

取穴練習

  まずは先生のお話から。

  今日、取ってみるのは「大腸兪」「腎兪」「志室」という腰のツボと、「委中」という膝の裏のツボなど。

  いずれも腰痛の時によく使うツボです。

 

  岡野先生が「経絡」のイメージを、タオルを使って説明して下さいました。

 

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  このタオルを経絡として見立てると、経絡はピンと張っているわけではなくて、場所によっては「たわみ」があったり、「ねじれ」があったり、沈んでいたり、浮いていたりする。

  それを刺鍼によってある程度張りのある状態に戻してやるのが治療、ということだそう。

 

  説明はものすごく分かりやすいのですが、ハッキリ言って素人学生にはなんじゃそりゃ・・・という感じ。

  そもそも経絡は素人の目に見えるものではないので、経絡があるんだよ、と言われても「はあ、そうなんですか」というビミョ〜な返事しかできない感じのモヤモヤ感があります。

 

  またまたあ・・・そんなこと言って、比喩なんでしょ?

 

  と、先日あれだけすごい治療を受けたにも関わらず疑いの目を先生に向ける愚かな私です。

  だって私には見えねーもん。

 

 

岡野先生  「じゃあめりーさん、大腸兪の体表解剖学的場所は?」

 

  おっと、疑いの目を向けていたら、先生が心を読むかのように私を当てられました。

 

めりー  「ヤコビー線上、L4棘突起下縁、後正中線外方1、5寸です!」

  (フフン、だてに成績が良いわけじゃないぞ。学生だからってナメんな先生っ!)

 

岡野先生  「はい。では実際はどうか、取ってみましょう。」

 

  (あれ・・・思ったより褒めてもらえない・・・。なぜだ!まだナメられているのか!?)

 

 

  交代で横になって取穴し合います。

  先生方の取穴をみていると・・・・あれ、教科書と違う・・・・。

  ヤコビー線と棘突起を測って取っている人がいない!!!

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  寝ている方は「ああ〜〜、そこです〜〜〜〜!」と、鍼を打っていないのに気持ち良さそう。

 

  みんな間違っているよ!!

  勉強忘れちゃったのか!?

 

  めりーさんも挑戦です。

  まずヤコビー線を取り、4番の棘突起下縁で、外方1、5寸。

  この方は小柄だから、、、ココだ!!

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めりー  「どうっすか!?

先生  「あー、まあ、そうですねー・・・・・(無言)

 

  おいおい!!

  そのものすごく言いたいことを我慢しているような反応、なんすか!!!!

  なんだ!?何か違うのか!?!?

 

岡野先生  「ではめりーさん、取穴するので受けてみて下さい。」

 

  手技療法は受けると良く分かる事が多いです。言葉で説明しにくいものもあって、とにかくやってもらうことに。

  先生方に取穴してもらうと・・・なんか違う!!!

 

  まず取るスピードが早い!そしてグッと押されると

  おおおおそこですうううううぅぅ

  って感じ!!

 

  でも私と何が違うのか分からない・・・。なぜだ・・・何が違うんだ・・・・・。

 

  その後他の部位も「ベタベタ触ってみて」とのことで、ベタベタ。

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  触っていると、同じことをやっているのに、鍼灸師と私の間に決定的に違う何かの存在を感じ始めました。

  何が違うんだ。何かがある。なぜだああああ!!!

 

 

  めりーさんが混乱していると、「では実際に鍼を打ってみましょう」と岡野先生。

  交代で刺鍼です。

 

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  使っていたのは学校でみるディスポ鍼(使い捨て)と違うメーカーのもの。

  あれ、、、扱いがわからない。

  どうすると鍼管取れるの?

 

  他の先生がニヤニヤしながら「こうするんだよ」と教えてくれました。

 

  あれ、私のココロ、読まれている・・・・・?

 

 

  いつもと違うメーカーの鍼で、上手くできない。あれ、刺入が出来ないぞ!?みんなサクサク打ってるけど、私は鍼が入っていかない・・・。

 

  うう〜〜〜ん・・・・できないぃ・・・・。

 

  焦っていると他の先生がアドバイスを下さいました。

 

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  めりーさんの無心が整いました。

 

  何この顔芸。

 

 

  無心になると鍼がつつーっと入っていきました。

  はあ、とりあえずは出来た。

 

 

  取穴も刺鍼も、ひとつひとつが大変なのに、みんなこんなの日常茶飯事でやっているわけですよね。すごい・・・・。

 

  とくにツボの場所が私には分からなかった。

  先生方は「ここだね」とヒョイヒョイ取って、サクサク打っているのに、私はいつまでも「え?どこ?」って感じ。

 

  どうしたら先生方のように取れますか?と言ったら、「触っていれば分かるんだよね」との事。

 

  それは例えばある日突然ビールが美味しくなる感じで、突然分かるようになるんですか?

 

  と聞いたら、みんな笑っていらしてて、

 

  「そうだよ、でもビールも飲んでいないといつまでも美味しさが分からないよね。とりあえず乾杯でビールを飲んでいたから、美味しさが分かるようになったでしょ。だから、人の身体も触り続けていれば、いつか分かるようになるんだよ

 

  はあーーー!そうかあ!

  なんとなく後光が差して見える。

  鍼灸師ってすごいなあー! 

 

  先生方によると、こういった身体を触ってツボや悪いところが分かる感覚は、経験というもの。

  私は学校か、自宅で自分の足にしか鍼を打った事がありません。 経験は限りなくゼロに近い。

  私が知っているのは教科書に書いてある事、先生に教わったことだけなんです。私は何も知らないことが分かりました。

 

  鍼灸師の練習会に参加したのは初めてのこと。学校以外で鍼を打ったのも初めてです。私にはレベルが高く、今回の講義で何か得られたかどうかは分からないのですが、とにかく見聞が広がりました。

  何か大切なことがわかったような気がします。

 

  今年は国家試験前ですが、できるだけ時間を見つけて、現場の鍼灸師の先生方に習っていって、来年には立派な鍼灸師になっているように、勉強していこうと思います!

 

  先生方、大変お世話になりました!ありがとうございました。