第26回はり師・きゅう師国家試験の合格発表がありました。第25回で70%を下回ったことで学校では衝撃が走っていたのですが、今年はなんと驚異の57,7%。どうした、鍼灸師界。
この26回の合格率に私はとてもびっくりしたのに、誰も
ぎょえええ!
とか騒いでいないので、さみしいです。
そこで第26回の結果について考察した上で一人で騒ぎます。どうぞ。(σ・∀・)σチェケラ
はり師きゅう師国家試験は難しい?
26年の歴史を持つはり師きゅう師国家資格。まだまだ若い国家資格ですが、毎年数千名ほどの資格者を排出しております。毎年数千。多いですよね。
そう、元々は、はり師きゅう師国家試験は難しい免許ではなかったんです。最初の合格率は90%ほどで、だんだん下がってきて近年は70%で落ち着いておりました。
が、去年の第25回で70%のボーダーを下回り、衝撃が走りました。しかしちょびっと下がっただけだったので、あまり焦りは見られませんでした。
合格率が下がる要因・一般論?
第25回の合格率が下がったのは、既卒の受験者の関係があったという噂が流れていました。というのも、国家試験を受ける人は学校を卒業する権利を持っています。ですから、不合格になった人は、学校へ行かずに勉強しなければいけません。
期末テストや模試がなくなるので、まあなんというか・・・お尻に火が付きにくく、合格しにくい、と言われています。
既卒合格は2割以下という数字があるので、彼らが全体の合格率を落としているのでは、と言われていました。
他にも要因はありますが、ちょっとデリケートな話なのでここでは控えます。
合格率が下がる要因・個人的には
「既卒のせい」は誰が言い出したのかはわかりませんが、よく聞きます。私は学生だったので、主に学校の先生から聞いていました。だから一回で受かりなさい、と。
確かに、一度で合格できないということは、決定的に合格できない要素を持っている人もいるかもしれません。
私の学校では既卒の人も授業に参加したり、学校で勉強できたりしていたので、時々見ていました。2回目の授業内容でも、あまり理解がはかどっていなかったりと、何か理由があって学習がきちんとなされていないと感じたことがあります。
しかし中には諦めずに予備校などに通うなどして努力して受かる方もおられるようですが、かなり人数は少ないようです。
学校を観察していて思ったのは、勉強ができなくて追試が多い人でも、留年はほとんどしません。留年する人というのはよほど学校に来ないような人で、最終的にお辞めになっていく方が多かったです。
留年させない理由はわかりませんが、学校経営的な事情が関係しているようです。
追試が多く、しかし留年しない人は、その時持っている学習に対する問題を解決できずに進級していってしまいます。勉強のやり方などに問題があっても解決できずに皆と同じペースで進まなければならないので、最後の国家試験の時に、やはり合格できない、ということがおきます。
もちろん学校も、ただ進級させているわけではなくて、面談などを行っているそうですが、根本的な解決にはならず、グダグダの卒業試験を目にしました。
意味ないなー・・・、みたいな。
どうグダグダかって言うと・・・
卒業試験は2回行われて、受かればOKの脱落方式だったのですが、いつまでたっても全員合格しないので、私の知る限りは確か6回戦までやっていました。
1回目を除き、試験をしたら合格者は必ず半数なので、必ず落ちる人がいる。ロールプレイングゲームのファイナルファンタジーの魔法「グラビデ」みたい。
補講もあったそうですが、合格できない人の半数以上は自宅で勉強をしないので、気休めか、学校側の努力アピールにしかなってなかったのかなーと思います。
なぜ落ちる?追試の人
私は1度も追試を受けたことが無いのですが、いつもたくさん追試を受けている人をずっと観察していました。
とはいえ学校でしか会えないので、聞く限りの話ですが、勉強しないみたいですね。テストの前日に一夜漬けのようなやり方だそうです。
はり師きゅう師国家試験は範囲が広く、中高の期末テスト感覚でやっても、基本的には合格しないと思います。中には天才的な人もいて、教科書一回読んだだけでOKみたいな人もいるらしいのですが、普通の人はまずそうは行かないので、普段から勉強しないと時間が経つにつれ苦しくなります。
興味深いのが、学校に忠実な人もあまり勉強ができないみたいなんですね。
学校が出す課題や補講にとても真面目に参加していて、すべてこなしているのに、追試を受けている人がいるんですね。とても不思議です。想像ですが、学校の課題をやっていれば良いと思っているのかな。学校が国家試験を作っているわけでは無いので、自分で教科書を勉強しないと厳しいのですが。
一番見ていて悲しかったのが、勉強しているのに受からない人。
やり方の問題なのか、こういうもの自体がそもそも合ってないのかわからないのですが、努力しているのに、その努力の方向がちょっとズレていたりして報われないような人もいました。
応援したくてたまに一緒に勉強したりしていたけど、私なんかは何の力にもなれなかった。
学校は学校で問題がありました。
私の学校は部署異動が全く無いようなのですが、長く務めている先生が多くて、昔の感覚で授業をしているので、いまの国家試験の内容に合致していないことが結構ありました。
同じところに長く勤めると、全体の生産性が落ちるのですが、学校は特殊な企業なので生産性とかはあんまり気にしないのかな。ライバルが多ければそのうち潰れると思う。
まあそんなのは専門学校に限らず、名門校以外の普通の学校ではどこでもそんな感じなのかな。試験に落ちたのを学校のせいにしてはいけないですね。学校自体にあまり機能はありませんから。
第26回、驚愕の合格率
3年間の通学義務を果たし、挑んだ第26回はり師きゅう師国家試験。
個人的な感触は、西洋医学の難易度は下がったものの、考えさせる問題が増えたかなあ、という感じ。東洋医学は教科書を丸暗記していないと太刀打ちできないような難問もありました。
難問だと感じていたのは受験生みんなだったようで、あん摩マッサージ指圧師国家試験では制限時間よりもかなり早く問題を終わらせて退出していく人が見られましたが、はり師きゅう師国家試験では制限時間までほとんどの人が残っていたようです。
私自身は、普段150題を解くのには1時間ほどなのですが、第26回はり師きゅう師国家試験では残り15分と言うところで全部解き終わりました。見直しはしませんでした。
全部が全部難しいというわけではなくて、もちろんバラつきが合ったと思うのですが、全体的には「今年って一番難しかった気がするなあ」という感想。午後が特に難しく、時間もかかり、ストレスも溜まり・・・気分は最悪。
もしこれで落ちていても、2度と受けないと心に近い、会場を後にしました・・・。
が、初めて受験する人は大抵そう言うものだろうと言うのもあり、合格発表まではこの話を誰にもせずにおりました。
・・・
そして出た結果が、
はり師合格率、驚異の57,7%。
おお・・・どうした財団。
そんなに・・・
そんなに学生が憎いのか?
w
なぜ下がった、合格率
実は合格率下がるんじゃねえかとは第25回の時点から思っていました。でも先生がみんな「既卒のせい」にしているから言わなかった。そうなのかなーって思って。
だって、鍼灸師って毎年数千人増えているんですよ?ちょっと多すぎません?
看護師さんは世の中にとても必要なので増やす努力をしているみたい。専門学校も公立があったり、学費がすんごく安かったり。就職後もお給料は高い。病院行ったら、絶対いるし。その辺にたくさんいる。いかにもニーズがある〜〜!って感じですよね。
でも鍼灸師ってさ、います?その辺に。私、学校へ行こうって決めてから初めて会ったんですよ。ど素人の一般の人って、鍼灸って何なのかわかっている?必要だと思われていますかね?
一般人に・・・
必要・・・ありますかねぇ〜?
風邪引いたら病院・・・行きますよね?
足挫いたら、整形外科・・・行きますよねぇ〜〜?
鍼灸を知らない人には、鍼灸が必要ないんですよね。でも、病院を知らない人にも、病院は必要なんですよね。ああ、こりゃヤッカイだ。
しかし実は鍼灸師もニーズはあるんですね。社畜として。接骨院なんかで非常に求人が多く見られます。
近年は訪問治療なんてものがあるので、社畜が量産されているようです。みんなよくやるよなあ。
でも、安心してください。
医療従事者なんてほとんどが社畜です。
関係ありませんが、前の職場の先生は、勤務時間を計算したら、時給が800円になったって言ってました。マジかよw
在学中からずっと思っていたんですけど、求人を見ていて・・・
こんなに苦労して免許を取ったとしても、社畜になるだけなんだよなーってね。これは他の人におすすめできないな、って。
しかも看護師さんよりもよっぽどお給料やすいんですよね。商売の才能があれば、開業してガッポリ儲けられるでしょうけど、私のような凡人は、せいぜい平社員ですよねえ。
そこまでしても医療職をやりたい自分はカッコいいと思いますけどねw
ちょっと脱線してしまった。
とにかく、知名度の割になぜか人数増えすぎなんですね。
学校増えすぎてグダグダ問題
業界の中では結構有名なこの話。
小泉政権の時に、規制緩和があったんですね。それまでは鍼灸の学校は増やしちゃダメですよーみたいな措置があったんですけど、それが取れて、それまで30校ほどだった鍼灸の学校が一気に100校を超えました。
これが実は大失敗だった。
学校は増えたが、少子化で生徒がいない。
しかしリーマンショックなど経済面の不安定さから、医療職の安定を宣伝する機会が増え、学校は生徒欲しさに「手に職を!」なんて良いようなことを言う。
それを真に受けた人が医療職の大変さや試験の厳しさやらを考えずに入学。
受験者数が少ないので「コイツ大丈夫か?」みたいなやつも平気で合格させる。
結果、アホな生徒が増えてアホな鍼灸師が増える。
業界全体にアホが蔓延し、これはやばいと国家試験を難しくする。
しかし学校にはアホが多いので大量に不合格になる。
はい、無限ループの完成。
まあアホのくだりは私の想像ですが、大体合っているでしょう。
生徒のレベルが低いのは、私自身見ていました。もちろん全ての人が勉強をしないわけではありませんが、最初の方は俗に言う学級崩壊クラスのような感じだったので、マジで?とかなり驚きました。
そもそも教育がグダグダ問題
非常に問題視されていて、来年から教育カリキュラムを大幅変更することになった原因が、教育グダグダ問題。
普通、医療職は臨床実習があって、現場を見にいくんですよね。職場で看護師さんの卵が一生懸命勉強している姿を見ることがありました。
でも、鍼灸にはこれがありません。
学校には臨床実習と言う名前の授業がありますが、蓋を開けてみると、シナリオに沿って治療の真似をするおままごとのような内容でした。
実際の診察を見ることはなく、生徒が患者役、治療者役に分かれて行い、症例報告論文も書くのですが、真似をしているだけでまるで何の経験にもならないような臨床実習。
注意されるのは患者対応ではなくて、シナリオの読み間違えとか。治療に関する指導はあまり無く、何の参考にもならない。大人が本気でお医者さんごっこをしていました。
私はこれにものすごく驚いて、本気ですか・・・?って先生に言ったんですよwwww
先生A 「何もなしにいきなり診察しろ、と言うのは無理だから、シナリオに沿ってやってもらっています」
めりー 「それにしても、実際の診察くらい見たほうがいいんじゃないですか?」
先生A 「見るだけじゃいつまで経ってもできるようにはならないから・・・」
めりー (シナリオ読んだらできるようになるのか・・・?)
論・外。
また別の先生は
先生B 「めりー さんは成績が良いからそう思うんだよ」
めりー (いや成績とかじゃなくて一般常識だと思うんですけど・・・)
なんて感じでした。
色々やってみた話
学校の授業内容についてはアンケートが学期末にあって、それに書いて反論できるようになっているそうなんですけど、いっくら書いても無視されているんですよね。わけを聞いたら「同じ内容の意見が2名以上からあった場合にのみ伝える」だそうなんです。
だからまあ、生徒同士が口裏合わせないとダメなんですね。自由記述のアンケートに全く同じ内容ですよ。不可能に近いですね。
で、大人の生徒の方は、言っても無駄だから、と何も書かずに出していました。
しょうがないので偉い先生に直接言いに行ったんですよ。
「この授業の内容はちょっとレベルが低すぎやしませんか」みたいなことを。そしたら、「担当の先生に直接言ってください」「どの先生も頑張っているから・・・」みたいな感じでした。
担当の先生が生徒の意見を聞ける人かどうかと言うのも微妙で、もちろんまともに話してくれる先生もいますし、言わなくてもわかってくれる聡明な先生もおられます。でも全員がそうじゃないんですよね。全く人の話を聞き入れないような人だっているわけですよ。
だから私、証拠が残るように期末試験の答案用紙に書いてやったんですねっwwww
私の行動が問題視されただけで終わりましたwwww
ここまでやってみて思ったのは、学校がダメなんだな〜〜て。
どうしようもない。
腐敗が進んでいます。
どうでも良いんですが、つまずいた時に、何もしないでそのままにしていると良くないでしょ。私は規模はどうあれ世の中を良くしたいんですけど、腐った学校の中で一緒に腐ったらダメじゃない。ちょっとでも腐敗を止めるような行動をしないと、世の中を良くするような人間になれないと思うんですよね。単純に。
だから「自分アホだなあ」って思いながら色々やってみたんですけど、同じことを感じている学生以外は、話を聞かないんですよね。聞いても耳の中を通り過ぎていくだけって言うか。
まあこれが俗に言う「大人になる」ってやつなんでしょうけど、大人になるって言うのは腐った人間になることなんだなーって思いました。
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結局、自分や周りが腐っていることに目を背けて、良いようなフリをして、外面だけ綺麗にして、低空飛行で墜落はしない、そんなような人ばかり。
そしてムカつくのが、私は当たり前のことを言っているんですけど、何かと「それはめりー さんが頭が良いから・・・」とか、なんか知らないけど私のせいにする。いや、私が天才なんじゃなくてお前が腐ってるだけだから!!
しかし私もアラサーであり、大人の端くれ。
民主主義を尊重して私もこれからは腐って行こうと思っています。
朱に交われば、赤くなる。
下がるべきして下がった合格率
さて、これから騒がれるであろう?はり師合格率の低下。私と言う個人ですが、見てきた限り当たり前の結果のように感じます。50%くらいまで下げても良いかもしれない、と思う。
業界の方向性の補正を最も簡単にできるのが、国家試験の難易度を上げると言うこと。
合格率が下がれば、取りにくい資格として認知されるようになります。そうすると本気で勉強する人と、お金持ちしか来なくなります。学校に通うのは大金がかかるから。万が一、お金持ちのダメな人が入学してきても、国家試験で弾くことができるので、鍼灸師の質は保たれる。そして全体の生徒数が下がるので、腐った学校は勝手に潰れます。
来年以降の試験がどうなるかはわかりませんが、そんなところでしょうか。
学校が潰れるので、教師が余りますから、教員養成科も潰れますよね。関東には2校ありますが、それが1校になる日が来るんじゃないでしょうか。
ずっと教員養成科(大学院みたいなもん)への進学を考えていたんですけど、やめました。金がないとか、自分の幸せは?とか、いろんな理由がありますけど、教師にはなれないから、無駄だなーって。なれたとしても、腐るだけだし。
(勿論腐ってない先生もいますけどね。自分がそういられる自信はない)
大金叩いて自分を腐らせるって、意味わからんなーて。
話を戻すと
国家試験の難易度を上げると、鍼灸師の質は良くなりますね。でも、学校が淘汰され、質が改善されて行くのには時間がかかります。そこで、その時間短縮のために、2018年カリキュラム改定があるんじゃなかろうかと思います。
つじつまは合ってますねえ〜〜。
そう考えると、財団と厚労省で連携して改革しようとしているように見える。やる気出してくれたのかなあ。
今までがやる気なさすぎだったので、これくらいでも鍼灸業界のことを考えて頂けて私は嬉しいですけどね。もっと色々やって、先進国、長寿国として世界に発信できる医療システムを作って欲しいです。
お国の人がこのブログを読んでいるとは思えないけど、せっかくなのでもっと言っておこう。
もっとやってええ!!
メチャクチャにしてぇっ!!!
あ、なんかちょっとエロくなっちゃったwwwアラフォーに向けてエロさに磨きをかけるのが抱負なんでwww
そんなわけで
おわり。