ひとりのセラピストのひとりごと

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手に職つけた、ひとりのセラピストのブログ。意識低い系。

漫画「たそがれたかこ」感想と考察。悩みの理由は年齢ではない。人は人の中にいるから孤独になる。

たそがれたかこという漫画を読んだ。

 

たそがれたかこ(1) (KCデラックス)

たそがれたかこ(1) (KCデラックス)

 

バツイチ45歳、母と二人暮らしのタカコという中年女性の物語だ。

子供は旦那に引き取られたものの会える環境にいて時々タカコの家に遊びに来る。

高齢でも口の達者さは健在な母に、くどくど言われつつもパートをしながら生きている。

 

晩酌しながら聞いているラジオの若いMCの男の子に恋心を抱く。

自分をオバさんと言い、人にオバさんと言われ、そんな自分も女性であることを認識したり、自分をイタイと責めたりする。

 

タカコと周りの人を描いた日常生活の漫画だ。

 

 

この作品は実にリアル。

リアルすぎて怖くなる。

生理が不順になったり、白髪があったりと中年女性が実にリアルに表現されている。

一緒に暮らす母は介護椅子に座って食事をしていて、いつもタカコより早く寝る。

この介護椅子も実にリアルだ。

 

ある日タカコはいつものように母の隣で就寝し、夜中に一人で涙を流す。

家を抜け出し、隅田川のデッキで缶ビールを飲む。

 

この表現が恐ろしかった。

女性が歳をとるということ

独身ということ

特に何でもない、同じ生活を毎日しているということ

 

中年、孤独、女性…

 

自分の未来を描いているように思えた。

 

私は母とは離れて暮らしているし、恐らくこの先も同居はしないと思う。

でもあと10年経った時、私はタカコと同じように、独身で夜中に訳もなく涙を流し一人で缶ビールを飲んでいるような気がする。

 

独身は関係ないかもしれない。

タカコは子供の時からコミュ障だった。

高校で不登校になったことも描かれている。

私も人との距離感が分からなくて、悩んでしまうことがあるから

結婚していても、愛する夫や子供と暮らしていても孤独は感じるような気がする。

そしてそれは、私だけではないような気もする。

 

誰だって人に分かってもらえない、自分は孤独だと悩む日がある。

みんな平等に悩んだり苦しんだりしている。

それはどこで誰と暮らしていても、きっとそうなってしまうんだと思う。

本当に自分一人の世界だったら、孤独を感じない。

人がいるから、孤独を知るのだ。

 

私は自分のことを自分ではオバさんだと思うけど、周りに年上が多いせいか、いまだに若者扱いしてもらっている。

でも気持ちは地味になる一方だ。

 

年齢を言い訳にできない理由を並べる人間になりつつある。

 

ときめく恋をする年齢じゃない、ミニスカートをはく年齢じゃない、何かを追いかける年齢じゃない…

 

年齢は人が何かをできなくなる理由ではない。

でもみんな、どんどん臆病になっていくから、言い訳が欲しいんだよ。

 

私にはできない

 

なんで?

 

だって、歳が…

 

歳のせいなんかにしないで、せめて正直に「こわくてできません」って言おう。

 

大人なのに

大人なんだから

厳しい人はそう言うけど

大人になったって私はこわいことが沢山ある。

 

おかっぱでワンピースを着ていた5歳の頃と何も変わってないんだよ。

 

大人になったからって、色んな事ができちゃう人はすごい。

 

大人になったから働く

大人になったから結婚する

 

それってすごい。

 

私は大人だけど、働いてもうまくいかないし

大人だけど、結婚も失敗した。

 

みんなすごいよ。

 

 

 

でも私も、すごいんだよ。

 

うまくできなくても、大人やってるもん。

 

 

うまくできないのに働いているし、税金払ってるし、一人で暮らしてる。

誰にも助けてもらってないよ。

うまくできなくても、人付き合いしている。

 

 

できる人がやるより、できない人がやる方がすごい。

勇気があると思う。

 

 

臆病なのに、へたくそなのに、それでもやってる私はえらいと思う。

 

 

 

 

 

10年後、私はどんな女性になっているだろうか。

どこで誰と暮らしているんだろう。

夜中に一人で泣き出すのかな。

一人で缶ビール飲むのかな。

 

 

 

みんなこうやって生きているんだ。

それがきっと、生きるということ。