ひとりのセラピストのひとりごと

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手に職つけた、ひとりのセラピストのブログ。意識低い系。

【鍼灸師向け】日本の鍼灸治療の衛生管理は大丈夫?ダーティニードル問題。結論的には気にしなくてOK

日本の鍼灸治療で、鍼を素手で扱うことがあります。

これが清潔に対してリスクになると言う学校の先生がいました。

鍼灸の感染管理について私が考えることをまとめます。

 

目次

 

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日本の鍼は汚い?鍼灸と感染管理

鍼灸では保守主義の人が多いです。

いまだに消毒や感染管理について認識が甘い人たちにたくさんお会いします。

鍼灸は安全性の高い治療なのでそれでも事故が起きないのです。

 

しかし在学中から私はこの考えの違いが気になっていたし、多くの鍼灸師と考えを共有できない理由であると思います。

 

潔癖症じゃないんだけどな・・・不潔に敏感な私

私は病院で働いていたので特に感染管理について強い認識を持っています。

自分を守ることは医療者にとって絶対的に大切なことです。自分が感染しては患者を守ることなど到底できません。

私は看護助手時代に、感染者に知らずに接触し、危ない思いをしたことがあります。

そのため感染管理意識が高くなりました。

 

医療者は健康な人なので感染しにくいです。

結核や肝炎など危険性の高い病原体であっても汚染物に触りさえしなければ感染しにくいのです。

感染しにくいので認識が甘くなりディスポ手袋など装備をしない人すらいます。

これは職業に関係ないようです。

看護師でも私ほど危険を感じている人は少ないと思ったし、医師ですらそうだと思いました。

要は私は気にしすぎなのでしょう。

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病院で働いているうちに手に汗をかいただけで手を洗いたくなってしまう癖がつきました。

 

先日デート中にやたらと手を洗っていたので

これは病院で働いているからついた癖で、決して潔癖症というわけではないんです

言い訳をしてしまいました・・・^^;

私は不潔なものに触れないわけではないし、不潔でいることが耐えられないわけでもないです。

他人を不潔とは思わないし、人が触ったものにも触ります。

ただ人より多く手を洗いたくなるだけなのですが。

 

たまにスマホとかカバンを消毒します。

エタノールで拭くだけですが。

キッチン用品の塩素消毒も好きなようです。

清潔を保つ行為が好きなのだと思います。

これも病院で働いたせいでついた生活週間なのでしょう。

単純に消毒行為が好きなのだと思います^^;

 

一般人と同じ?鍼灸師の衛生意識

一方で鍼灸師の消毒認識は一般人とほぼ同じです。

施術前後に手を洗ったり、鍼の清潔を維持することは当然です。

しかし感染管理認識は全くないと感じました。

鍼灸師で潔癖症気味の人はあまり見たことがありません。

みんな恥ずかしくて言えないだけかもしれないけれど・・・。

 

鍼灸治療を受ける患者はほとんど健常者です。

麻痺や疾患があったとしてもレベル的には健康な人と変わりません。

感染リスクの高い人は鍼灸の禁忌であるので、普通の鍼灸師は高リスク患者に会わないのです。

そのため私ほど感染に気を配る必要がありません。

状況的に認識が形成されないのです。

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この環境的な違いを知らなかったので、私は鍼灸師は大丈夫か!?と驚いたことがあります。

鍼灸学生、学校教育でも感染管理にゆるいと感じました。

もちろん基礎授業では消毒について口酸っぱく言われるし、試験でも消毒を怠ると試験中断となり失格、再試験となります。

しかし2年生以降の授業ではほとんど一度も消毒について注意しているのを見たことがありません。

学生もワイワイやっている感じなので緊張感の無さに衝撃を覚えました。

 

私は在学中に外部の練習会に行ったこともあります。

鍼灸師に混ざって鍼の練習をしたが、消毒認識が甘いので驚きました。

これは鍼灸という治療が代替療法だからと言えます。

病院のように高リスク患者を扱わないため、それで良いのです。

全く問題ありません。

私は知らなかっただけでした。

 

日本の鍼は本当に汚いのか?ダーティニードル問題

学校の授業で「日本の鍼はダーティ・ニードルと言われて世界で恐れられている」みたいなことを聞いたことがあります。

学校教育では刺鍼時ディスポ指サックや手袋をするのですが、保守派(経絡や中医など)の治療では感性が鈍るため防護用品の着用を嫌います。

これが汚い!と言われることがあるとか無いとか、そういう話をされました。

 

その授業の後、私は単身中国に渡り大学病院を回ってきました。

行ったのは5つの大学病院です。日本で言う”高度医療病院”でしたが、感想としては日本の鍼はべつに、ふつうだと思いました。

 

刺絡はヨードを使っていた!中国で見た鍼の消毒

北京の大学で刺絡をしている時にはエタノール消毒の後ヨード消毒をしていました。これは患者が循環器内科に入院している高リスク患者だったからだと思います。

しかし別の外来治療室ではエタノール消毒だけでしたし、鍼の衛生管理も病院によっては結構ずさんでした。

ずさんっぷりがショッキングだったのでここでは言わないでおきます(笑)

中国では基本的に刺絡の時はヨード消毒を使っていました。

 

日本の消毒と刺絡

日本の鍼灸治療においてエタノール消毒が一般的です。

ヨード消毒はイソジンで消毒するもので、消毒液が濃い黄色となります。

消毒効果は衛生学で習った通り、エタノールより強力です。

しかし人体に対して刺激が強いので、普通の創には使いません。高リスクである大きな創に用います。

日本では鍼灸治療の現場でほとんど用いられることがないようです。

日本でヨード消毒が使われるのは病院が多くなります。

人工透析などで注射針が太い時、手術創に用います。

私は最近、日本の病院で感染のために大きな創ができてしまった高齢者の方の消毒にイソジンを使用しているのを見ました。

看護師さんに聞いてみたところ、ドクターからの指示で消毒がイソジンに指定されていたようです。

消毒液もドクター指示なのは知りませんでした!

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日本も刺絡がされていますが、消毒液は基本的にエタノールを利用しています。

(学校で習っただけなのでイソジンを使っているところもあるかもしれませんが)

これは日本の刺絡患者がほとんど健常者のレベルだからです。

日本の病院で刺絡をするとなると、感染管理しなければいけなくなってくるのでイソジンを利用した方がいいと判断されるでしょう。

まあ日本の病院じゃまずやらないと思いますけどね^^;

 

日本の鍼はふつうです。よっぽど綺麗な日本の鍼

日本の鍼灸治療は消毒時にエタノールを使います。

そもそも日本人は綺麗好きです。鍼灸の患者がそもそも感染しにくい人たちです。

また日本の鍼灸治療は自費であることが多くなります。

金銭的にも豊かであり、清潔を維持するだけの能力を持っている人たちが鍼灸の患者です。

そのため感染リスクがかなり低いので、消毒はエタノールでも十分なのです。

一般的に使われる鍼もディスポなので無菌状態です。

中国の鍼より綺麗なんじゃないかと私は思っています。

 

ダーティ・ニードルと言ってたのは多分欧米諸国の日本を知らない人なのではないかと思います。

欧米のドクターは衛生意識が高いので日本の現状を知らなければそんなこと言ってばかにするかもしれません。

ナメンナヨ!

 

鍼灸の衛生管理はどうしたらいい?鍼灸師にやって欲しいこと

”元”病院職員としては鍼灸師にも衛生管理は気をつけて頂きたいと思います。

感染に絶対はあり得ません。

常在菌も感染する可能性はゼロではないのです。

そして衛生管理は自分を守るために大切です。

医療者が自分を守れなければ、患者を救うことはできません。

感染管理において患者よりも大切なのは、医療者です。

患者を感染させないために、自分が感染してはいけません。

 

絶対は、無い。

 

事故も感染も気のゆるみから起きます。

現場に出て何十年の選手だとしても、あしたは起こるかもしれないという意識を忘れないで欲しいです。

 

患者を守るのは自分。

患者を守るために守るのも、自分。

 

多くの患者さんを助けるために、鍼灸師の方が高い衛生意識を持ってくださることを願っています。

図解入門 よくわかる公衆衛生学の基本としくみ (メディカルサイエンスシリーズ)

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