ひとりのセラピストのひとりごと

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手に職つけた、ひとりのセラピストのブログ。意識低い系。

リラクゼーション、国家資格者のマッサージにおける事故について

あん摩マッサージ指圧師国家資格者の間で時々話題になるマッサージにおける事故問題があります。

国家資格者が着目してしまいがちなのは無資格マッサージは教育を受けていないので事故が好発するのではないかというところ。

しかし実際は事故に資格の有無はあまり関係ありません。

起きるときは、起きます。

 

今回はマッサージにおける事故について解説します。

資格の有無に関わらずマッサージ施術者には読んでいただきたいと思います。

 

目次

 

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事故は場所によって違うものが起きる

事故は現場によって内容が違います。

例えば病院で起きれば医療事故として命に関わるケースは裁判になったりニュースになったりと大きく取り扱われます。

ニュースでよく話題になるのは自動車事故です。

飲酒運転の致死的な事故は犯罪扱いとなり、しきりに注意喚起されています。

人間はミスをする生き物です。それは防ぐことができません。

できるだけミスをしない環境を整える。

自動車で言えば運転の前は絶対に飲酒をしない、信号を守る、方向確認をする、右左折のシグナルを出すなどです。

ミスをするという前提で、二重確認をしたり、お互いに声かけすることで防ぐのが基本です。

こういったリスクマネジメントをヒューマンエラーと言い、研究がなされています。

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病院のヒューマンエラー

病院でミスが起きると、時には患者の命に関わることになります。

私は看護部に在籍していたので、看護師のヒューマンエラーについて教育を受けました。

特に取り扱いに注意しなければいけないのは薬物です。

向精神薬や医療用麻薬などは処方、運搬、投与時、投与後などその都度多重確認をします。

医療用麻薬はミスが起きると必ず警察に通報しなければいけません。

絶対にミスを起こさないようにチームで管理をすることになります。

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また患者の輸送も注意しなければいけないポイントです。

移乗時に転倒する可能性が高まります。

患者が転倒せずとも、点滴棒が倒れる、他の何かが倒れるなど注意しなければいけないことはたくさんあります。

患者の搬送は一人で行うことが多いので、職種に限らず病院職員全体が気をつけなければいけません。

私はなんども他職種に助けてもらいました。

 

マッサージにおけるミス

マッサージではミスのリスク管理についての教育がほぼありません。

 

マッサージにもミスは存在します。

 

マッサージで揉む力が強すぎれば揉み返しと呼ばれる現象が起きます。揉み返しは後日に痛みが現れる不快な症状です。

これは人によって感受性が違うので、起きた時に患者に確認し刺激を調節していくという対処が一般的です。

 

しかし教育の中でこの管理について全く習いませんでした。

どうしたら揉み返しが起きるかというのが科学的に立証されていない、あるいはあまり科学されないという現状があります。

マッサージは場合によって致死的なミスが起きることもあります。

リラクゼーションだけでなく、国家資格の教育の中ですらリスク管理に触れないのは今思えば非常に不可解です。

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リラクゼーションでもリスク管理教育は全くありません。

リラクゼーションは医療行為ではないので、医療行為を行う国家資格者とはまた違ったミスが起きる可能性があります。

 

国家資格者はリラクゼーションのミスについて「資格がないから」と思いがちですが、そうではありません。

国家資格者も事故の可能性を持っています。

どの現場でも、事故の可能性は絶対に存在するのです。

ただ、現場によって事故の内容が違います。

 

リラクゼーションのマッサージで起きる事故とは

リラクゼーションマッサージは一般的に健常者が利用するので致死的な事故が起きにくい現場です。

リラクゼーションセラピスト を含めた一般人は、マッサージが医療行為であるという側面を知りません。

そのためセラピストはお客の状況に応じて刺激を変えるなどの機転がないですし、お客は体調がおかしいのにリラクゼーションに行ってしまうという場合もあります。

 

リラクゼーションセラピスト は骨折のリスクを知らない

リラクゼーションサロンで起きやすい事故は、骨折です。

成人は骨が丈夫なのでちょっと押したくらいで骨折することがありませんが、骨折好発部位が存在します。

それでも相当な力を入れないとまず骨折しません。

危険なのは閉経後の女性や高齢者です。

閉経後の女性はホルモンバランスが変わり骨粗鬆症が始まります。

これはどんなに健康な人でも起きてしまう現象です。

必ず閉経とともに骨密度は下がります。

そのため骨折しやすくなります。

しかし押圧の感受性が弱い客は「もっと強く」と訴えることがあり、これが事故に繋がります。

 

ミスしたセラピストを責める国家資格者は現状をもっと考えるべきだと思う

マッサージでの骨折事故は極めて初歩的なミスです。

国家資格者は信じられないので真っ向からミスしたセラピストを否定してしまいます。

私も本当にどうかと思います。

 

しかし現状として、リラクゼーションでは骨折のリスクについての教育が全く存在しないのです。

 

セラピストを責める国家資格者はこの事実を重く受け止めるべきだと思います。

問題はセラピストがミスすることではありません。

教育が全く無いことなのです。

 

あん摩マッサージ指圧師が起こしやすい事故

あん摩マッサージ指圧師は医療機関で働いていることが多いので起きやすい事故が変わります。

あん摩マッサージ指圧師は国家資格の教育を受けているので、骨折させるということはそうそうありません。

しかし私は過去半年間に、国家資格者による事故と思しきものを3回目撃しました。

 

あん摩マッサージ指圧師が起こしやすいのは一過性脳虚血のための卒倒です。

医療機関を利用する患者はほとんどが高齢者となります。

高齢者の適応能力が低下するのは周知の通りです。

マッサージによる体内の血流変動が瞬時に戻らずに、血圧が下がり脳虚血が起きます。

最悪の場合は意識喪失するので卒倒します。

卒倒のリスクはご存知の通りです。場合によっては致死的な副作用になります。

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病院でこれが起きた場合は安静と必要な場合は輸液で様子を見ます。

私の職場は看護師と医師がすぐに駆けつけてくれるので大事には至りませんでしたが、他職種は明らかにマッサージによる副作用を疑っていました。

私が驚いたのはあん摩マッサージ指圧師側が事故の可能性を疑ってなかったことです。

患者のせいにしていたのでこれは衝撃でした。

 

場合にもよりますが、意識喪失はかなり危険な状況なので、リラクゼーションで好発する事故よりも重大事故になりやすいです。

 

そしてこの副作用も、学校では全く習いませんでした。

驚いたことに、国家資格者ですらマッサージのリスク管理教育を全く受けていないのです。

 

 次は自分が起こすかもしれない。事故を起こさないためには

事故が起きたというニュースを見たとき、それを資格の有無のせいにしていては、いつか自分も事故を起こします。

事故は資格のせいで起きるわけではありません。

施術者の不注意によって起きるのです。

 

 

大事なことなのでもう一度言います。

 

マッサージの事故は、資格がないから起きるわけではありません。

資格があったとしても、施術者と患者が人間である以上は、起きる可能性があるのです。

 

 

ヒューマンエラーの書籍でミスについては学習することができます。

医療におけるヒューマンエラー 第2版: なぜ間違える どう防ぐ

私はリラクゼーションセラピストからあん摩マッサージ指圧師になりました。

リラクゼーションが良いとか、国家資格が良いとか、そういう考えはありません。

私は良くも悪くも、今はただの医療者です。

しかし客観的に考えて、ミスを資格のせいにしている国家資格者は危険であると思います。

 

私たち、あん摩マッサージ指圧師ですら、マッサージのリスク管理を教育されていないのです。

 

どうしたらリラクゼーションの骨折を根絶できるか?

どうしたら国家資格者の事故を減らせるか?

誰が良いとか悪いとかではなく、ヒューマンエラーを一人でも多くの施術者が考えなくてはいけないのです。

資格の有無は関係ありません。

人間であるから起きる現象です。

 

私は学校教育の中でヒューマンエラーについてきちんと習えるようになって欲しいと思います。

失敗する前に、防ぐ手段を身につけて欲しい。

そんなことすら、日本のマッサージの教育現場は行われていないのです。

 

国家資格者にはぜひ物の見方を変えていただきたい。

危険な行為だと思います。