ひとりのセラピストのひとりごと

ひとりのセラピストのひとりごと

手に職つけた、ひとりのセラピストのブログ。意識低い系。

治療家・医者あるある。変わった技術や療法、点滴は健康に役立つのか?オリジナル施術は、もういらない

マッサージ業界にいると、医療、リラクゼーションに関わらずオリジナル施術を発明しようとする血気盛んなイケイケ先生をよく見る。

オリジナルとまで言わなくても、何とか流、何とか術、と

マニアックな治療法をしています、みたいな先生は非常に多い。

私が最近勉強しているのはAKAという関節運動療法だ。

在学中は鍼灸を学んでいたので経絡治療、中医なんかを勉強した。

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マッサージ、鍼灸に関わらず色んな術式とか理屈があるんだけれど

統一される気配が一向に無い。

 

これは医師もそう。

医師でやり方にこだわりがある人はクリニックを経営しているけど

高濃度ビタミンとか水素点滴とかニンニク注射とか、

色んなものがある。

 

色んなやり方の治療家がいてみんな経営しているから、ウチだけのオリジナルを作って差別化を図る!みたいなことを一生懸命やっている。

でも、全員同じことを考えて同じことをしているから、もう差別化もクソもない。

いっぱいあってよく分からんという状態だ。

そりゃあ、健康オタクみたいな人は喜んで新しい療法を試すだろう。

お金も惜しみなく使う。

そういう趣味の人は。

でもそれは少数派である。

マクロビとかファスティングとか

新しいモノが好きな人は食いつく。

 

ではそれらが結果的に…

日本国民の健康水準を上げているか?というと、答えはノーである。

 

オリジナル療法、特徴のある療法は趣味の世界であって、市場を広げるとか国民の健康に有意義な実績を作るとか、そういう意味は無いと思う。

 

みんなやっているんだったら、もう差別化という手段で勝っていくことはできない。

飽和である。

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じゃあどうしたらいいか?というと

私は当たり前のことをきちんとやることが大切だと思う。

 

例えばマッサージで言ったら、マッサージに求められたことをきちんとする。

患者さんに満足してもらう。

良い気持ちになってもらう。

患者さんの体調の変化に気づいたら他職種に連絡を取る。

たったのそれだけだと思う。

 

それには特別な療法はいらない。

普通のことをやっていればいいと思う。

そういう堅実な、真面目な治療家を国は求めているのではなかろうか。

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以前、鍼灸の学会に行った時に

質疑応答の場面で若い鍼灸師が、エライ先生にこんな質問をしていた。

「国民が求める鍼灸師とは、どんな鍼灸師ですか?」

エライ先生が何と答えていたか忘れてしまったが、私はこう思う。

信頼されるだけのことをしている、誠実な普通の治療家である。

 

 

東洋医学とか、西洋医学とか、

経絡治療とか、中医とか

マッサージとか、整体とか

患者さんにとってツールはどうでも良いのである。

 

まず安全であること。

確実であること。

恐怖がないこと。

金銭的に無理がないこと。

 

患者さんに大切なことはそんなくらいなのだ。

 

 

 

患者さんに療法の違いは分からない。

そんなことはどうでもいい。

私にも違いは分からない。

色々勉強したけど、結局ぜんぶ同じだ。

本当に。

 

 

良い治療家になるために、いい手段はないか、いい治療法はないかと努力するあまり

当たり前のことが見えなくなってしまっている人は意外と多いのではないだろうか。

普通のことをきちんとできる。

それが最も良い治療家なのではないだろうか。 

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昔、こんな放射線治療とか、ロボット手術とか、MRIとかXPも無かった時代

あ、ヒポクラテスを思い出してくれ。

東洋医学の人は扁鵲だ。

彼らは患者の様子から診断して薬や治療を処方した。

道具は何もない。

顔色、声、体温、お腹の張り、におい、昨日食べたもの、普段の生活の様子…

そこから治療したんだ。

完全に治したかどうかは分からない。

助からない人だってたくさんいただろう。

でも、それは今も同じなんだよ。

今だって助からない時は助からない。

人間は生き物だから、天寿を全うする時がきたり

生きることができなくなるほどのダメージを受けることだってある。

でもそんな人たちから目を背けず、できることをする。

それが医療なのではないだろうか。

 

金のためにオリジナル施術をせっせと宣伝するのも悪くはない。

でもそれは患者のためを装って自分の利益を作りたいというだけなんだよ。

 

患者は私たちに何をしてほしい?

何と言ってほしい?

 

オリジナル施術は患者のためではない。

それは治療ではない。

 

私はそういう意味では真の治療家なので、変わった技術を得ようとは思えないのだ。

金をたくさん稼ぐつもりもない。

そういう才能もない。

 

私は誠実に治療する。

それしかできない。

 

でもそれが本当の医療者だと思う。

私のような医療者が増えてくれることを願っている。

ケアをすることの意味: 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学