ひとりのセラピストのひとりごと

ひとりのセラピストのひとりごと

手に職つけた、ひとりのセラピストのブログ。意識低い系。

鍼灸・マッサージはケアの手段です。今、日本に必要なケアについて我々ができること

鍼灸マッサージの専門学校では技術的なことや古い文化に接する機会がとても多くありますが、今の日本に最も必要なケアについて習うことがほとんどありません。

今日は医療や介護の中でとてもニーズが高く、大切であるケアについてまとめます。

f:id:mogemilk:20180301204734j:plain

国家資格者が必要とされる現場。医療と介護のケア

治療が必要な人、治療が終わった人など鍼灸マッサージ師にとって様々な患者さんがいます。

患者さんはそれぞれ、どれくらい自分で身の回りのことができるかは違います。

例えば寝たきりで意識が無い人は、全く身の回りのことができませんね。

これをADLのレベルと、私たちは言います。

 

ADL(日常生活動作)

日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingのことで、ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指します3)。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。

自立生活の指標:日常生活動作(ADL)とは | 健康長寿ネット

 

 

身の回りのことができない人のことを、「ADLレベルが低い」と言います。

このレベルは人によって違います。

高齢者や障害者などは、それぞれADLレベルが違うので、人によってリハビリや介護などを選ぶ必要があります。

 

あなたの助けが必要!一番多い、高齢者

日本は今、高齢化社会です。

今までは起きていなかったいろんな問題がたくさんあります。

例えば、一人で住んでいる高齢者の人が、歩けなくなってしまって買い物に出ることができない。トイレや身の回りのことが自分でできないということがたくさん起きています。

一人暮らしのために、具合が悪くなってしまってそのまま亡くなってしまい、誰にも気づかれないという事件がありました。

そのため役所の人たちが一人暮らしの高齢者のお宅を周り、安全を確認するということが行われています。

 

一番多い障害者は脳卒中。マヒがある障害者の人たちもたくさんいる

手足が動かせないなどの体に問題を抱えた人たちも、助けが必要な人たちです。

障害者と言われています。

日本で一番多いのは脳卒中という病気のために、体の一部が動かなくなってしまう人たちです。

脳卒中は人間にとって司令部になっている脳に問題が起きてしまいます。

一度起きてしまうと、障害が残ることのある大変な病気です。

日本で人数が多いのは、体の左右どちらかが動きにくくなってしまった人たちです。

片麻痺と言います。

脳卒中が脳のどこで起きたかによって、体が動かなくなったり、言葉を無くしてしまったりと、人によって症状が違います。

脳卒中で起きてしまった症状は、基本的には治ることがありません。

生活を体に合わせて、工夫していくことが必要です。

f:id:mogemilk:20180407104737j:plain

高齢者や障害者は、ずっとその状態が続きます。

風邪などの治る病気と違って、どうやって生きていくかを考えなければいけません。

長い時間、一生をその障害と共に生きていくのは、とても大変なことです。

体調不良が起きたら、医師や看護師、鍼灸マッサージ師などが治療をしたり、リハビリしたりして回復させていきます。

でも、患者さんはずっとそのままであることを知っているのです。

時には悲しくなってしまうこともあります。

もし自分が障害を持ってしまい、ずっとこのままだ・・・と想像したら、なんとなく気持ちが分かりますよね。

そんな時に、励ましてくれる人がいたり、話を聞いてくれる人がいたら

障害は変わらなくても、少し気持ちが楽になります。

 

これをケアと言います。

 

治療は「キュア」=治すこと

ですが、

「ケア」は癒すことです。

 

キュアとは、「治す」。病気や怪我を治すための医学的処置で、原因となる病気をなくすこと。その後医療を受ける必要をなくすことです。
ケアとは、「癒やす」。「治療を目指すこと以外の医療の側面にも心遣いしましょう」という概念。痛みの軽減や悩みを共有して、生きる時間の質を高めるための活動です。

キュアとケア | こころみ

 

治療や障害は戦いです。

挫けないように、諦めないように患者さんは常に戦っています。

でも人間には休む場所が必要です。

休みなしに戦い続けることは、誰にもできません。

 

今、日本に多い高齢者や障害者の方たちに必要なことは、ケア=癒しなのです。

f:id:mogemilk:20180223190820j:plain

鍼灸マッサージ師ができるケアとは?当たり前のことが一番大切!

ケアは看護師さんや介護士さん、ケアマネージャーと言う患者さんの必要な介護を手配する人たちの中でよく考えられています。

場所では、老人ホームや介護施設などで行われています。

ケアの考えは新しいもので、なかなか浸透していません。

日本の病院ではあまり考えがなく、患者さんは時には悩んでしまったり、病院に不信感を抱いてしまうこともあります。

 

鍼灸師やマッサージ師の中でもケアの考えは浸透していません。

鍼灸マッサージの治療は、患者さんの話をよく聞き、患者さんの全体を見て治療を行っているので、とてもケアに近いものです。

しかしそれをケアとして考えている人というのは、限りなく少ないようです。

 

鍼灸マッサージは保険治療と、そうでないものがあります。

保険を使わない治療は値段が先生によって違っていて、とっても高い先生もいれば、そうでもない先生もいます。

お金を稼いでいる先生はカッコいいので、私も憧れています。

しかし私が臨床に立っていると、

本当に鍼灸マッサージに治療が必要な患者さんは、保険治療をする患者さんです。

f:id:mogemilk:20180301205407j:plain

最近では美容鍼というのが流行っています。

モデルさんや女優さんが受けていて、ブームになっていますね。

鍼治療はいろんな効果があるので、美容のためにも使うことができます。

美容鍼は患者さんの満足度を上げ、患者さんを幸せにできる素晴らしいものです。

しかし美容の目的だったら、他にもいろんなやり方があります。

エステや、パック、化粧品、レーザー治療・・・

美容はお金になるので、たくさんの人たちが商売をしています。

美容鍼を受けるお客さんは、美容のために、鍼を受けています。

 

しかし

高齢者や障害者のケアができるのは、鍼灸マッサージしかないという場合が多いです。

鍼灸マッサージは病院の医療と違って、必ず治るというものではありません。

鍼灸マッサージを行うこと自体が、ケアであり、患者さんの欲しいものなのです。

 

ケア医療は鍼灸マッサージ以外にリハビリがあります。

リハビリでは筋トレなどの訓練をして、今患者さんが持っている機能を維持させるという目的があります。

リハビリを受ける患者さんは、機能維持のためにリハビリを受けています。

 

鍼灸マッサージには目的がありません。

どれほどやっても筋力を増やしたり、マヒを無くしたりすることはできません。

しかし目的がないということが、最も大切なことだと私は思います。

 

患者さんの話を聞きながら、鍼を打ったり、マッサージをしたりする。

ただそれだけのことが、患者さんにとってとても大切なことなのです。

f:id:mogemilk:20171127102646j:plain

寝たきりの患者さんはどこにも出かけることができません。

友達に会いたくても、友達のところへ行けないのです。

そして点滴をつながれていたり、決まった時間に決まったメニューを食べたり・・・ADLが低ければ、食べることすらできません。

楽しみや自由がとても少ない生活をしています。

それでも生きなければいけない。

自分で死を選ぶことすらできないのです。

それは私たちには想像できないような、とても大変な苦しみがあるのではないかと思います。

 

鍼灸マッサージは、そんな患者さんの楽しみになることができます。

治療を受けているその時を、楽しんでもらう、休んでもらう。

患者さんのケアは、鍼灸マッサージでないといけないのです。

f:id:mogemilk:20171127091648j:plain

才能や成績なんて要りません。患者さんが必要としているのは、これを読んでいるあなたです。

鍼灸マッサージは、それを行うこと自体が目的です。

特別な難しい技術は必要ありません。

乱暴に言ってしまうと、やればいいだけだと私は思います。

ただし、患者さんの体調に合っている施術であること、患者さんの異変に気づくこと、安全であること、信頼してもらえることなど、

人としてできなくてはいけないことはあります。

これは決して簡単であるとは思いません。

 

例えば介助というものがあります。

安全に立たせたり、移動させたりするために、だれかがサポートしてあげることを介助と言います。

看護師さんや介護士さんなどは介助の訓練を受けていますが、鍼灸マッサージ師は全く知りません。

学校で習わないので当然ですが、知っていなければいけないことです。

直接業務とは関係がないのですが、常に「いつ患者さんは転倒するか分からない」と緊張している必要があります。

 

患者さんの安全を確保するのは、施術する鍼灸マッサージ師です。

責任感を持たないといけません。

 

責任感を持って仕事をすることは、人として当たり前のことですが、常に同じ気持ちでい続けることは難しいのです。

時間が経てば、初心を忘れてしまいます。

当たり前のことは、一番難しい。

 

私も常に反省と改善をしています。

 

 

鍼灸マッサージのケアは、国家資格を持っている人なら、誰でもできることです。

特別な勉強は必要ありません。

とても簡単です。

人として当たり前のことは、国家資格がなくても、誰でもできることです。

今からでもすぐできます。

でも、とても難しいです。

 

 

私たちは、ケアを専門とした医療職種です。

一人でも鍼灸マッサージが必要な患者さんへ、ケアを届けることができますように。

これを読んでくださったあなたを、患者さんは必要としています。

ケアをすることの意味: 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学